卵「年内は大きく下がらない」最高値に迫る中「液卵」に注目 冷凍すれば2年保存可能
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 卵の価格高騰が止まりません。「エッグショック」と呼ばれ過去最高値を記録したおととし春ごろの水準に迫ってきています。そんななか、長期保存ができて価格が安定している「液卵」が注目されています。

【画像】液卵の愛用者「きれいな発色、ぱっと使いたい時に使えるのが便利」

■これから先、卵の価格は下がる?

埼玉県内の激安スーパー
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 埼玉県内の激安スーパー。22日は卵の特売日とあって、1パック税込み194円(税込み)の卵が飛ぶように売れていました。

スーパーの広告
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「(Q.最近の卵の価格は?)高いですね」


「(Q.広告を見てきた?)そう。きょう決めてたんですよ。安いの狙って」

スーパーマルサン 越谷花田店 八木栄樹店長
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スーパーマルサン 越谷花田店 八木栄樹店長
「(特売は)かなり厳しいですね。赤字覚悟なんですけど」

エッグショックと言われたおととしに迫っている
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 価格の高騰が続く卵。Mサイズの卸売価格は22日時点で1キロあたり335円。過去最高値となる350円を記録し、エッグショックと言われたおととしに迫っています。

採卵用のニワトリおよそ840万羽が殺処分された
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 高騰の原因は、鳥インフルエンザ。今シーズンは14の道と県で51の事例が発生し、採卵用のニワトリおよそ840万羽が殺処分されました。

 これから先、卵の価格は下がっていくのでしょうか。

ホウトク農場 豊村三弘社長(※この養鶏場では発生していません)
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ホウトク農場 豊村三弘社長
「年内は大きく下がることはないと思う。鳥インフルエンザでかなりの数が殺処分されてしまって、それらの鶏が戻るのにも、かなり時間がかかるのが大きい」

■鳥インフルエンザだけでなく…別の心配も

生みたての卵を次々とパック詰めに(※この養鶏場では発生していません)
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 茨城県にある養鶏場では17万羽のニワトリを飼育。鳥インフルエンザの影響はなく、22日も生みたての卵を次々とパック詰めにしていました。

 しかし、仮に鳥インフルエンザが発生すれば、すべての鶏舎のすべてのニワトリが殺処分されるといいます。鶏舎の規模にもよりますが、そこから元の生産量に戻すためには1年以上かかるということです。

 さらに、別の心配もあります。

豊村社長「夏が予報ではかなり暑くなると言われているので」
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豊村社長
「夏が予報ではかなり暑くなると言われているので、その影響もあって卵の生産量がなかなか増えないのではないか」

■長期保存OK「液卵」注目

 こうしたなか、注目されている卵があります。

機械の中から飛び出してくる生卵
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 機械の中から次々と飛び出してくる生卵。工場で製造されているのは、殻を取り除き、すでにといた状態で販売される液卵と呼ばれるものです。

食中毒を引き起こすサルモネラ菌などの心配はないという
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 卵は65℃~66℃で3分半殺菌され、食中毒を引き起こすサルモネラ菌などの心配はないといいます。

冷凍で2年間、長期保存ができる
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 これまでパンや菓子を製造する業者などに利用されてきましたが、5年前に家庭用の液卵「楽ちんたまご」を発売。価格はMサイズの卵6個分相当で250円(税込み)。最大の特徴は冷凍で2年間、長期保存ができることです。

 そのため、鳥インフルエンザが発生しても、安定した価格と供給量が保てるといいます。

業務用だと2倍、楽ちんたまごだと3倍のびている
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丸鳥鶏卵 白井宏昌社長
「去年から鳥インフルエンザもあって、(前年比で)業務用だと2倍、楽ちんたまごだと3倍のびている。一時的ではなく、ある程度定着して買ってもらえるようになっているし、スーパーも本格的に販売に動いているので、今後もっとのびていくと思っている」

冷凍庫にストック
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 横浜市に住む主婦も、液卵の愛用者の1人。常に冷凍庫にストックしつつ、通常の殻付き卵と併用しています。

液卵を愛用する主婦 花豆さん(30代)
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主婦 花豆さん(30代)
「卵焼きなどを作る時に最初から溶かれているぶん、きれいな黄色が発色するというか、白身と黄身が分かれるようなことがない。殻付きの卵だと賞味期限がどうしても短くて買い出しに行けない時などに、ぱっと使いたい時に使えるのが便利」

(「グッド!モーニング」2025年4月23日放送分より)

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