67年前に都立病院で別の赤ちゃんと取り違えられ、産みの親とは別の両親に育てられた男性が都に産みの親を調べるよう求めている裁判で、東京地裁は21日、調査を命じる判決を言い渡した。これを受けて、小池都知事は25日の定例会見で「心情、察するに余りある」として謝罪、控訴しない旨を述べた。
小池都知事は都立墨田産院での赤ちゃん取り違えについて「原告である江蔵智さん及び関係者の皆様方に多大なご心痛をおかけいたしましたことを、改めまして都として深くお詫びを申し上げます」と謝罪。
続けて「長年にわたって江蔵さんが苦しんでこられた状況、心情、察するに余りあるところでございます。江蔵さんの育てのお母様もご高齢でいらっしゃいます。私は取り違いを生じさせた都といたしまして、今回の判決を受け入れ、控訴しないことを決断いたしました。都はこの判決を尊重いたしまして調査を実施いたします。調査にあたりましては、対象となる方々の個人情報の取り扱いに万全を期すとともに、それぞれの方の心情に配慮した丁寧な対応を行ってまいります」
調査方法については「調査ということは難しい問題だとかねてより言われておりました。出自を知る権利というものはまず重要なものという一方で、そういう課題があり、そして今回は調査という判決が出たこと、この内容を踏まえまして、まず速やかに調査を開始するように担当部署の方に指示をしたところでございます」と説明。
出自を知る権利については重要であるとした一方「個々の事案について見ますと、様々な事情、そして親、子供、兄弟など、関係者のとても複雑な心情などもあるということが考えられ、故に難しい問題であることも事実です。こうした問題に対してどのように対応していくのか。法整備がどうなのか。我が国では実は未だに法整備なされていないのが現状です。よって、国におかれまして早急にこの点議論を進めるべきと、このように考えております。それから、墨田区で始められた『いのちのバスケット』についてもむしろ、匿名で受けるということが預けるハードルを下げているということでもございます。それらもしっかりと整理しながら進めていく。そして、命を守るという観点からも都として区と連携して行っていきたいと考えております」と述べた。
(ABEMA NEWS)
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