子ども好きのかおりさんからすれば、苦しい性行為の末の妊娠であったとしても、中絶に踏み切ることができず、そのまま6人の子どもを産んだ。この状況に周囲の反応が、さらにかおりさんを追い詰めることになる。「自分自身は悩んでいたが、友だちにとってはのろけ話みたいな感じに聞こえていたみたい。最終的には、どんどん心がこのままでは死んでいくというのは感じた」。
夫婦共通の知人から「おかしいから離れた方がいい」と毎日のように説得されたり、息子が元夫から暴力を受けて児童相談所に通報されたことなどをきっかけに3年前、ようやく離婚ができた。現在は働きながら7~18歳という6人の子どもを1人で育てている。一方、元夫は結婚相談所で知り合った女性と再婚する前に、子どもができたと聞いた。「ABEMA Prime」に出演したかおりさんは「被害を受けている時は、被害者という意識が全くなく、多産DVという言葉も離婚してから初めて知って、自分はそうだったんだと気づけた」と述べた。また産婦人科医で30年以上、多産DVの被害を受けた女性たちを支援してきた種部恭子氏は「逃げられただけでも、私はすごいと思う。気づくきっかけがあってよかった。誰か隣の人が『それはおかしいんじゃないか』と言ってくれて、ハッと目が覚めるようなことがなければ、その洗脳は解けない」と語った。
多産DVに悩む人には、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター「#8891」、DV相談ナビ(配偶者のDV/暴力などの相談)「#8008」がある。
(『ABEMA Prime』より)


