【明治安田J1リーグ】FC東京 3-0 ガンバ大阪(4月25日/国立競技場)
日本代表MFの三笘薫の姿が重なるようなスーパーゴールだ。FC東京のMF俵積田晃太が、約70mを爆走後にカットインからゴラッソ。単独突破の一撃が話題となっている。
FC東京はJ1リーグ第12節でG大阪と対戦し、3-0の完勝を収めた。サポーターが約2か月ぶりの勝利に歓喜した一戦で、とんでもない先制ゴールが飛び出したのが86分だった。
FC東京は自陣左サイドの低い位置でG大阪の攻撃をストップ。ボールは受けた俵積田は、そのままキレのあるターンでG大阪のDF岸本武流とMF鈴木徳真の間を切り裂き、縦に突き進んでいく。両足を上手く使いながらボールを前に突き、ぐんぐん持ち運ぶ。追走してくる岸本を置き去りにすると、進路を少し中に変えてDF中谷進之介とマッチアップした。
20歳の逸材アタッカーは、それまでの大股でスピード溢れるドリブルから、小股かつ小刻みなボールタッチでのドリブルにリズムチェンジ。縦に行くと見せかけて中央に切れ込み、右足をシャープに振る。シュートはDF福岡将太の股を抜けて豪快にネットを揺らした。
ゴールを決めた俵積田はジャンピングガッツポーズからの雄叫びで感情を爆発。チームメイトに次々と抱擁され、ゴールを噛み締めた。このプレーには実況席も驚愕。実況・桑原学氏が「1人でやってのけた」とシャウトすると、解説・石川直宏氏は「独走ですけど70mくらいじゃないですか。引き付けてクッと(中に切れ込みました)ね」とドリブルを称賛。続けてFC東京のOBは、「最近のフィニッシュで言うと、どうしても足下でキックしてしまう。ただ、今のはドリブルのスピードのまま、エネルギーを前にした身体ごと(フィニッシュ)だったじゃないですか。シュートが入らず、ずっと悩み続けていましたからね」と後輩ドリブラーの待望のゴールに安堵しているようだった。
この70m独走のゴラッソには、ファンもSNSで反応。「理想のゴールすぎる」「泣いた。息子と泣いた」「ベイルを思い出した」「とうとう来ました単騎俵積田!」「俵積田がすごいゴールを…」「もう三笘じゃないか」「これだからドリブル無双系選手はやめられない」「初めて知ったけど凄い名字だ。色んな意味で和製クヴァラツヘリア」「ゴラッソすぎる」「年間ベストゴール候補のゴラッソ」などの声が出るなど話題となっている。
2023年2月に18歳でプロデビューし、鋭いドリブルから「三笘薫2世」と謳われた俵積田。会心の一撃で今季初ゴールを挙げた。Jリーグ公式サイトによると試合後、「本当に嬉しくて、気持ちの良いゴールでした。ボールをもらったときに前にスペースがあったので、自分で行くと決めていました。ハーフウェーライン付近で受けたあたりから、1人で持ち込んで決めるつもりでした。上手く抜けて、決められて良かったです。今までの苦しさがすべて吹き飛んだような感じです」と喜びを口にした。
(ABEMA de DAZN/明治安田J1リーグ)