野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏
【映像】「80%が妥当」トランプ大統領のSNS投稿
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 世界各国がアメリカとの関税交渉を進める中、8日、一番乗りで合意を勝ち取ったイギリスだ。では、日本はどのように交渉していけばいいのか。

【映像】「80%が妥当」トランプ大統領のSNS投稿

 イギリスの関税交渉を受け、武藤大臣は「参考になる部分があるが、見極めていかなければいけない」、江藤大臣は「米国は米国、イギリスはイギリス」、そして赤沢大臣は「見直しを求めるというポジションに変わりはありません」と反応しているが、野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏は「安易に譲歩しない」というポイントをあげた。

「赤沢大臣も国益が最優先と言っているので譲歩するつもりはないと思うが、日本に対して、対米貿易黒字、日本側の計算でいうと2024年は8.6兆円あったが、0にしたいとトランプ大統領は1回目の協議で言っていて、そこが最大の狙い。ただ、貿易黒字を一気になくすような、例えば輸出の削減や輸入の拡大をすると、日本のGDPは1.4%も下がってしまう。今の関税をそのまま交渉が妥結せずに受け入れたとした場合のGDPの押し下げ効果が0.5%ぐらいなので、早く合意しようとして安易に譲歩する、対米貿易協調を一気になくすような大幅な譲歩をするのではなく、粘り強く交渉を続けていった方が日本にとって有利」

 『ABEMAヒルズ』コメンテーターのEVeMエバンジェリスト・滝川麻衣子氏が「譲歩しない目的として、アメリカの国内世論が逆にこの関税政策に対して疲弊してくる、それによってトランプ政権に対してこれを続けていくことはどうなんだというような、日本にとって追い風になることを待つという意味もあるのか」と問うと、木内氏は次のように答えた。

「その通り。ずっと合意しないほうがいいというわけではない。アメリカ側の事情で下げる可能性はこれから出てくる。これから、経済の悪影響は出てくると思う。実際に物価が上がってくるのは、あと2カ月ぐらい先以降かなと思っていて、それを受けて、アメリカ国内で関税は生活を圧迫するっていう批判が強まっていくと、来年の中間選挙で共和党が負けてしまうことにもなるので、私はそういう流れを受けて、秋ごろまでにアメリカ側が自ら関税率を大幅に下げる時期が来るのではないかなと、そこまで持ちこたえたほうがいいと思う」

(『ABEMAヒルズ』より)

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