出会いは、2人がまだ大学生だった2019年12月。妻が友人と居酒屋に行ったとき、例のごとく「京大生が好きだ」と話していたところ、隣の席から「僕、京大生です」と声をかけてきたのが、同じく友人と飲みに来ていた夫だった。

 「嘘かもしれない」と、妻はこっそりお手洗いで夫の名前を検索…。事実確認がとれ、運命の出会いに浮き足立つ妻。一方、恋愛経験の全くなかった夫は、お酒の勢いで声をかけたものの場を盛り上げられず、お互いの友達は途中で離脱。その後、2人が駅まで帰る途中、ピンヒールを履いていた妻が、「足が痛いかも」と魔性を発動!夫がお姫様抱っこをして挽回し、後日デートへ。しかしその4日後、妻から「別の京大生と交際している」という衝撃的な電話が!

 実は夫と出会って3日後、京大アメフト部のジャージを着たドストライクな男性を街で見かけ、声をかけていた妻。すぐに告白され、付き合うことにしたという。

 その後、夫は京都、妻は東京で就職。ほどなく妻から、「都会の生活に疲れたから、奈良の天川村に旅行に連れて行って」との電話が…。美しい星空の下、夫が後ろからハグするやいなや、「触らんといて!」と妻。さすがに身勝手過ぎると思いきや、夫に幻滅してしまった切なすぎる理由が…。それは当時コロナ禍で夫がつけていたマスクが「何日目やろ?というマスク」だったそうで、それを見たときに「友達かも」と思ったという。

 その4カ月後、急に夫のもとへ、妻から山田詠美の小説『ハーレムワールド』が届けられる。めくってみると、自分にとっての夫は、サユリにとってのティエンだと書かれたメモが…。同作は、主人公・サユリが何人もの男性を振り回すが、最終的にティエンのもとへ帰る恋愛小説。「最終的に僕のところへ来てくれる」と納得した夫は、それからも妻を待ち続けたという。

 そして2年半後、夜中に妻が夫に「関西帰ろうかな」とLINEを送ったところ、わずか2秒で「帰っておいで」という返事が。それをきっかけに出会って4年でようやく交際、結婚したという。

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