【フランス・カップ】パリ・サンジェルマン3-0スタッド・ランス(日本時間5月25日/スタッド・ド・フランス)
スタッド・ランスのFW伊東純也が、圧巻のボールキープを見せた。2人掛かりでの“鬼プレス”を華麗にいなしたプレーをファンが称賛している。
注目のシーンは、スタッド・ランスがフランス・カップの決勝でパリ・サンジェルマン(PSG)と対戦した25分のことだ。
伊東は日本代表DF関根大輝とダブルチームを組み、PSGのFWブラッドリー・バルコラのドリブル突破に対応する。伊東がカットインを、関根が縦突破のコースを塞ぐと、関根が粘り強い守備でボールを奪った。そして、ボールが関根から伊東に渡る。
自陣の低い位置でパスを受けた伊東は、鋭く反転しながら自身の後方から来るボールを前向きにトラップした。すると、後ろからはバルコラがすぐさま追走してきて、正面はMFヴィティーニャに阻まれた。PSGの2人と右サイドのタッチラインに挟まれる形になり、仮に2人を突破できたとしても、DFヌーノ・メンデスが3人目のカバーリングとして待機している。中央への横パスも、MFジョアン・ネヴェスに遮断されていた。
伊東が自陣でボールを失うと、ショートカウンターを受けてしまう可能性も高く、絶体絶命の状況だった。しかし、日本のイナズマは極めて冷静だった。右足のインサイドで中に進むフリをしてから縦に突き進み、バルコラのプレスバックに追いつかれることを察知すると、自分の身体を相手の身体の前に入れながらボールを隠し、右足を巧みに使って右方向にターンした。
さらに、バルコラを振り切った後にはヴィティーニャも鋭く寄せてきたが、絶妙な間合いと細かなステップで牽制して左方向に切り返してから後ろにいた関根にパスを出した。
実に8秒間ボールを失わずにキープし続けた。密集地かつ複数人を相手にボールを失わないだけでなく、チームメイトが体勢や呼吸を整えたりチームが陣形を直したりする時間を確保したプレーだった。
伊東が発揮した抜群のキープ力について、ファンもSNSで「伊東だけが通用してるな」「ボール奪われないのすごい」「しっかりキープ」と称賛。
スタッド・ランスはFW中村敬斗も含めて日本人3選手が同時に先発していたが、43分にダメ押しの3失点目を喫してしまい、0ー3で敗戦。48年ぶりの決勝進出も準優勝に終わった。なお、中4日で残留を懸けた入れ替え戦の第2戦が控えているため、伊東は前半のみでピッチを退いている。
(ABEMA de DAZN/フランス・カップ)




