社会保険労務士の藤井貴子氏
【映像】手取りを増やす106万円の壁撤廃後の働き方
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 現在、衆院本会議で審議中の年金制度改革法案に盛り込まれている「年収106万円の壁」の撤廃。パートやアルバイトで働く人たちの厚生年金への加入拡大も見据えた改正案だが、正式に撤廃となった場合、短時間労働者にはどんな影響があるか。気になる「手取り収入」への影響などについて、社会保険労務士の藤井貴子氏と考えた。

【映像】手取りを増やす106万円の壁撤廃後の働き方

「旦那さんの扶養に入っている主婦のパートさん、年収106万円未満に抑えていた人が一番影響出る」(社会保険労務士・藤井貴子氏、以下同)

 ただし、該当する人全員に厚生年金保険料がかかるわけではなく、「新しく20時間の壁が出てくる」と指摘する。

 今回の見直しで106万円の壁が撤廃されても、労働時間「週20時間以上」というもう1つの厚生年金加入要件は残ったままとなる。夫の扶養の範囲内で働きたい場合、藤井氏は次のように述べる。

「20時間未満で働いて、130万円未満で働くパートさんが今後増えると思う」

 一方で、すべての人で働き控えが起きるわけではなく、20時間を超えてたくさん働こうとする人が出てくるなど、働き方は二極化する面もあるという。

「会社側も社会保険料は折半で負担しないといけないので、(給料の)30%が大体社会保険料の金額になる。企業側と従業員側の折半なので15%ずつ払わないといけないので企業側の負担も増える」

 「年収106万円の壁」撤廃について、経済愛好家でコラムニストの肉乃小路ニクヨ氏は次のように述べる。

「扶養に入っていたパートの人にとっては、負担が増えてしまうなと思う。個人で考えると、労働から得られる学びを家庭の中だけで完結してしまっているのは、ちょっともったいない。社会で学んでいったこと、あと家庭で学んでいったことを社会に還元してもらいたい」

(『ABEMAヒルズ』より)

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