【明治安田J1リーグ】セレッソ大阪4ー2清水エスパルス（6月1日／ヨドコウ桜スタジアム）
エモーショナルな空気がスタジアムを包んだ。海外移籍をするためにチームを離脱するセレッソ大阪のMF北野颯太が、退団セレモニー時に号泣しながら親交の深かったチームメイトから花束を受け取った。この時、海外挑戦の先輩でもあるMF香川真司は満面の笑みで後輩を送り出しており、ファンの涙腺が崩壊している。
6月1日、C大阪はJ1リーグ第19節で清水エスパルスと対戦。ホームチームが4ー2で勝利した試合後、海外クラブへの移籍を前提とした準備のため、6月2日よりチームを離脱することになった北野の退団セレモニーが行われた。
北野はサッカースクールでプレーし始めた2014年からの思い出を振り返りながら、指導者、チームメイト、ファンなど、これまで関わってきた全ての人に感謝を伝えた。
思いの丈を述べた後、チームメイトを代表してMF上門知樹、MF阪田澪哉、香川の3人が花束を持って歩み寄った。3人は感極まる北野を温かく見守り、1人ずつ抱擁を交わす。最初は笑顔だった上門だったが、自分の肩で号泣する北野の涙に触れると、すすり泣いた。
それを見ていた香川は笑顔を浮かべながら北野と抱き合い、何度も背中を叩いて激励。終始、涙ぐむ北野をにこやかに見つめていた。C大阪公式HPによると「これからは自分で戦っていかないといけないですし、颯太に話すとしたら、うまくいかない時期をどう乗り越えるか。日本で、セレッソだったら、周りがカバーしてくれたり、守ってくれますが、欧州では、より実力社会なので。自信を失ったり、自分を見失うこともあると思います。でも、この半年間、彼が見せたものは一つの基準として、これから先、特に苦しい時、彼の支えになると思います。なぜ海外に行けたのか、強みを忘れないで戦って欲しいです。誇り、自信を忘れないで、戦って欲しいです。それだけの力があることは、この半年間で証明したと思います。それを信じてやって欲しいです」とエールを送った。
そして、同級生の阪田は、花束を渡して肩を寄せると号泣した。目を抑え、顔をゆがませ、男泣き。北野が2022年に高校3年生でプロ入りした1年後、阪田は東山高校を卒業して加入した。2人はC大阪公式HP内での仲の良い選手の項目にお互いの名前を書くほど仲が良く、共に過ごしてきた時間に想いを巡らせたのだろう。
チャントが響く中、北野はプレゼンターの3人と記念撮影を行い、チーム全員で応援団をバックに集合写真を撮った。あまりにも泣きじゃくる様子をいじられながらも、温かく送り出された。
桜色を纏うサポーターが集まったゴール裏にメッセージ弾幕が掲げられる中、中継を見ていたファンもSNSで反応。「北野颯太のお別れ会見てめっちゃ涙出てきた」「最後のスピーチで涙腺崩壊」「世界で活躍出来る選手になっていつの日かセレッソ大阪に帰ってきて欲しい」「仲間からの気持ちが感動的で素敵だった」「世界の北野颯太、行ってらっしゃい！」「何故か他サポなのに感動してた」「香川真司も清武弘嗣も乾貴士も一度はここから羽ばたいていった」と、涙腺崩壊は不可避だったようだ。
最後の場内一周では、香川のドルトムント移籍時と同じMr.Childrenの『終わりなき旅』が流れた。偉大な先輩が切り拓いた道に憧れていた少年が21歳になり、今度は自らの足でその道を進む。
北野は「一生、忘れることはない日になりました。試合前から、試合中も試合後も、ずっと僕の応援歌を歌ってくれていたので、あらためて、このチームで良かったと思えた瞬間でしたし、本当に幸せな１日でした」と噛み締め、世界へ羽ばたいていく。
（ABEMA de DAZN／Jリーグ）
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