【明治安田J1リーグ】セレッソ大阪4ー2清水エスパルス(6月1日/ヨドコウ桜スタジアム)
セレッソ大阪のMF北野颯太が、相手守備陣を切り裂くスルーパスでゴールを演出した。海外移籍前最後の試合で見せた一撃必殺のアシストに、ファンが歓喜している。
C大阪はJ1リーグ第19節で清水エスパルスと対戦。2ー1で迎えた54分、世界へ飛び立つ若武者が類稀なる才能を発揮した。
北野は自陣の真ん中でDF畠中槙之輔の縦パスを受けると、左足での切れ味抜群のハーフターンで清水のDF高橋祐治をかわす。中央に持ち込んだ後、DF蓮川壮大が勢いよくスライディングタックルを仕掛けてきたが、ギリギリ届かない一瞬のタイミングで前線にボールを転がす。相手CBの2人をあざ笑うかのように釣り出し、相手陣内の中央に空いたスペースにスルーパスを繰り出したのだ。このパスに抜け出したFWラファエル・ハットンは、前が開けた状態で独走し、右足でGK沖悠哉の肩口を射抜くシュートを決めた。
リードを2点差に広げるゴールに、サポーターが狂喜乱舞する。絶妙なスルーパスを通した北野は、今シーズン縦関係を築いてきたハットンと抱擁し、喜びに浸った。
実況・若田部克彦氏が「セレッソサポーターに感謝の気持ちを伝える北野のアシスト」と伝えると、解説・木場昌雄氏は「北野にパスが入った時、相手のCBが来ているんですよね。高橋が来て、もう1人が来て、完全に中央が空いた形になりました」と状況を説明、「後方からのビルドアップ、短いタッチ数で一気に相手のゴール前まで行く。そして、得点力のあるハットンがフィニッシュワークで決め切る。完全に点と点が繋がった素晴らしいゴールですよね」と絶賛した。
背番号38による餞別のアシストに、ファンもSNSで反応。「実質的な置き土産やな」「北野のラストパス!」「北野のスルーパスがスーパーだったな!」「最後に北野のアシスト見れてよかった」「ドルトムント時代のシンジカガワすぎる」「香川真司のようなチャンスメイク」と大興奮していた。
また、この試合で腕章を託されていた北野は、前半に自ら獲得したPKこそ決められなかったものの、70分にも切れ味鋭い動きでFWルーカス・フェルナンデスのゴールもアシスト。90分+4分に親交の深いMF上門知樹と交代してピッチを退くまで、アグレッシブにプレーし続けた。
2アシストをはじめラストマッチで主人公と呼ぶにふさわしい立ち振る舞いに、ファンも「泣ける」「明らかに北野颯太へのお膳立てをチームみんなでしてた」「颯太がキャプテンマーク巻く、颯太がPKを蹴る、颯太にゴール決めて欲しいっていうパスが多い。こーゆーとこがセレッソの選手たちらしくて好きなんよな」「試合中から泣きそう」「PK外しても腐らず、2Aで勝利に導いたメンタル…こういう選手が海外で花開くんだろうなって思った」「ちょっと泣いたの俺だけ?」と温かいコメントを送っている。
試合後には退団セレモニーが行われた。北野は開口一番に「みなさんのおかげで無事に勝てて、海外に行くことができます。本当にありがとうございました」と述べ、挨拶を始める。チームメイトと号泣して抱き合う場面もあったが、これまで関わってきた全ての人に感謝を伝え、2万人以上が駆けつけたヨドコウ桜スタジアムを巣立っていった。
(ABEMA de DAZN/Jリーグ)





