国民医療費
【映像】猪瀬氏の「血まみれ」発言に石破総理が答弁
この記事の写真をみる(2枚)

 増え続ける社会保障費。年金とともに議論されているのが、医療費の削減である。

【映像】猪瀬氏の「血まみれ」発言に石破総理が答弁

 2日の参議院予算委員会で、日本維新の会の猪瀬直樹参院議員は「前期高齢者・後期高齢者への仕送り。保険制度が多額の仕送りでゆがんでいる。現役世代が血まみれになっていると理解したほうがいい」と述べた。

 これに対し、石破総理大臣は「やはり出生率が上がり人口が増えるということを前提として作っている制度なので、若い人が減っていく中、社会全体のリスクをどう分担するかという観点から、今後さらに制度設計がなされるべき」と答弁した。

 2022年度の国民医療費は約46.7兆円、2000年度と比べて約1.5倍になっている。現役世代の負担ともなっている健康保険料率は、今後も上昇するとみられている。

 財務省は、保険料率の上昇傾向に歯止めをかけるには、医療給付費の伸びを雇用者報酬の伸びと同じ水準にする必要があるとしているが、実際には医療費の伸びが大幅に上回っている。

 この問題について日本維新の会は、医療費を年間で最低4兆円削減することで、現役世代一人当たりの社会保険料負担を年間6万円引き下げると主張している。

 現役世代の会社員の社会保険料率は報酬の約3割。半分は企業も負担することから、山田進太郎D&I財団COO・石倉秀明氏は、賃上げや雇用に影響が出る可能性を指摘する。

「小さい企業でコストを抑えながら経営をうまくやろうとすると、企業としての最適解は“社会保険の適用にならない人を雇う”、つまりパートやアルバイト、スポットワークを増やす、もしくは厳密にいうと偽装請負にあたるようなケースを増やさざるを得なくなってしまう。パートやアルバイトの賃金は上げず、かつ少ない人員で回そうとするのは、働く人にとっては地獄のようになってしまう。企業が利益を出すために最適解を求めた結果、こうした選択がとられるのであれば、そもそも制度自体が間違っている可能性が高い」

「人口が増える前提の制度設定ではなく、現実に合わせて制度設計しなおすことを問わなければならない。それが今の政治家の仕事だと思う」

(『ABEMAヒルズ』より)

この記事の画像一覧
この記事の写真をみる(2枚)