6月11日、国民民主党は夏の参議院選挙の比例代表で出馬を予定していた、山尾志桜里元衆議院議員の公認を見送ることを決定した。
6月10日、山尾氏は参院選の出馬会見で過去の不倫疑惑について「極めて未熟だった」と謝罪。国民民主党は比例での山尾氏の公認を見送ったが、玉木代表は「有権者、全国の仲間、支援者から十分な理解と信頼が得られないと判断した。擁立した代表の私にも責任がある」と述べた。
公認見送りとなった理由について、東京都立大学准教授で現代日本政治専門の佐藤信氏は「政策的な不一致の問題も大きい」と分析する。
「女系天皇や、選択的夫婦別姓についても、山尾氏は肯定的に発言をしている。国民民主党はいずれについても消極的。今後、山尾氏の強い発信力によって選挙戦のなかで政策の不一致が露わになることは懸念材料だっただろう」
5月には玉木代表が女系天皇をめぐる山尾氏のXでの発信を注意し、国民民主党は今国会で選択的夫婦別姓案を提出したものの採決見送りを主張している。
また、5月14日に国民民主党が山尾氏や須藤元気氏の擁立を発表すると、支持率が4.2ポイント下がり立憲に抜かれる形となったが、これは擁立が原因だったと考えてよいのだろうか。
佐藤氏は“2つの側面”があるとして、以下のように解説する。
「原因の一つは、今回の擁立など国民民主党の動きによるもの。国民民主党は安倍政権を支持していた層が流れ込むことで支持を拡大してきた。しかし、これらの支持者からすると、選択的夫婦別姓案の提出や山尾氏の擁立によってリベラルな方向に進むのに批判がある」
「もう一つは、国民民主党が伸びてくるのがわかっている中で、他の政党が参院選に向けて国民民主党シフトを強いてきた側面もある」
「国民民主党が減税などを公約として掲げるべく動いているが、それに対して立民なども食料品消費税ゼロと現金給付、与党(自民党や公明党)も現金給付の方針を決定している。税収が増えた分は、国民に還元すべきだという国民民主党の主張は、他の各党によってカバーされて、国民民主党の特徴がかすんできている」
(『ABEMAヒルズ』より)
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