一方、夫のトレーニング場所は国士舘大学。300kgバーベルなどでの筋トレを経て、砲丸投げの練習へ。一般男子用の砲丸は16ポンド(7.26kg)と、ボウリングの一番重い球と同じ重さ。それを約18mも投げているというから驚きだ。

 ご自宅を訪ねると、トレーニングやケアのグッズがずらり…。食事ももちろん、アスリート仕様。この日の料理担当は夫。大盛りご飯とホルモン炒め、新玉ねぎのスープとサラダ、酢の物とラッシーで栄養バランス最高の夕食を披露してくれた。

 パワフルな夫だが、今回の出演には特別な思いが…。出身は、岩手県陸前高田市。高校卒業の10日後に起こった東日本大震災で、市役所職員だった父が避難誘導中に亡くなってしまう。今回の出演にあたって父に「天国で見てくれたら嬉しい」と新婚トークを聞かせてくれた。

 二人の出会いは13年前。同じ国士舘大学の陸上部2年生と水泳部1年生だった夫と妻。たまたま授業が一緒になり、夫は妻に「かわいいな」と一目惚れするも、言葉を交わすこともなくお互い卒業してしまう。

 大学卒業後も競技を続けていた夫は、いつも通り原付バイクで大学の陸上競技場へ。そこに「止まってください」と声をかけたのが体育学部の教務助手を務めていた妻だった。実は避難訓練の誘導中だったのだが、驚いた夫は逃走!その後、グラウンドで再会すると、「昔好きだったからLINE交換しない?」と夫。妻がトライアスロンを始めたことも知っていたため、「何かできることがあったらサポートしたいと思った」というが、LINEを交換できたことに満足し、そこから1年連絡しなかったという。

 やがて妻が夫に競技に関するアドバイスを求め、会話をする仲に。その1年後、夫が妻を食事に誘ったところ、「先輩の言うことは絶対」という体育会系の風習により承諾。競技の話を語り合い、帰り際に夫から告白されるも、いきなり過ぎて断ったという。そこから10回以上、夫はフラれ続けるもめげずにトライしていく。

 そして妻から食事に誘い、自分から告白しようと、その思いを手紙にしたためた。するといつも通り夫が「好き」だと言ってくれたので、「私も同じ気持ちでした」と手紙を渡して付き合うことに。そして6年の交際を経て、昨年12月に結婚。今年11月には、妻からの提案により、陸前高田市で人前式を行うことに。夫の父は「家が好きだった」という話を義母から聞いたことがきっかけだった。スタジオ観覧に来ていた夫の母も妻に感謝し、「天国で絶対喜んでくれている」と嬉しそうに語ってくれた。

 ラストは夫が、両親と妻への手紙を読み上げる。その胸を打つ感謝の言葉に、MC藤井も思わず「胸が張り裂けそう」と涙。スタジオが感動に包まれていた。

【写真・画像】 東日本大震災で他界した、亡き父への思いに、スタジオが涙に包まれる… 2枚目
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