【明治安田J1リーグ】横浜F・マリノス 0ー3 FC東京(6月25日/日産スタジアム)
長く第一線で活躍できる理由が詰まっていたワンプレーだ。FC東京に所属する38歳のDF長友佑都が、迅速なカバーリングで絶体絶命のピンチを回避。洗練された危機察知能力を感じるディフェンスにファンが興奮している。
横浜F・マリノスのAFCチャンピオンズリーグエリートファイナルズ出場に伴い、延期されていた明治安田J1リーグ第15節でFC東京は、アグレッシブなスタイルを90分続けて3ー0の完勝を収めた。その試合の58分、生きる伝説が好守を披露する。
FC東京はDF室屋成がこぼれ球を回収すると、ボールをGK野澤大志ブランドンに預ける。野澤はバックパスをワンタッチで味方に繋ごうとしたが、これがペナルティアーク付近にいた横浜FMのMF遠野大弥に渡ってしまう。
遠野は突然飛んできたボールにもかかわらずうまくコントロールし、前線でフリーだったFWアンデルソン・ロペスにスルーパスを送る。FC東京は自陣でのミスをキッカケに大ピンチを迎えることになった。
しかし、38歳のベテランが22歳の守護神の尻拭いをする。長友は遠野からロペスにパスが出そうになると、全速力で戻る。ロペスが左足の前にボールを置こうとしたところで、自分の身体を相手の前に入れてボールをピッチ外に蹴り出したのだ。長友のカバーリングに意表を突かれたロペスは、千載一遇のチャンスで得意の左足を振ることができず。顔を歪ませて両手で覆い、悔しさを滲ませた。
解説・戸田和幸氏が「リプレイで見ると、おそらくオフサイドなんですけど」と述べたように、ロペスがボールを受けた位置はオフサイドポジションだった。そのため、仮にロペスがシュートを打ち、それがネットを揺らしても取り消されていただろう。しかし、長友は最後まで集中力を切らさずにプレーを続けたのだ。
大ベテランによる懸命なカバーリングに、ファンがSNSで反応。「効きまくってるな」「頼もしいぞ」「年齢関係ねえよ、みたいなことを長友選手が教えてくれる」「オフサイだけどナイスプレスバック長友」「アラートさはピカイチ」「さすが長友パイセン」「長友カバーで命拾い」「やっぱり出れば仕事するな」「若者がオフサイドをアピールして走るのをやめている横で、フルスプリントする長友さん、称賛に値しますね」などと投稿し、感銘を受けているようだった。
この試合は日本代表の森保一監督の視察ゲーム。長友は38歳ながらワールドカップのアジア最終予選の全試合に招集され、出場こそなかったものの自身の経験を伝え、チームを鼓舞して本大会出場に貢献した。今節は9試合ぶりに先発すると、タイムアップまでタフにプレーを続け、日本代表史上最多となる5回目のワールドカップ行きに向けて猛アピールした。
(ABEMA de DAZN/明治安田J1リーグ)





