■関税交渉、最後の切り札はカリスマ性?

赤沢大臣の対米交渉
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 トランプ氏は4月に日本に対する相互関税を10%から24%に、さらに自動車は25%、鉄鋼・アルミは50%へと引き上げると宣言。その後、交渉期間として90日間の一時停止期限が設けられたが、リミットが今月9日まで迫り、交渉の行方が注目されている。第1次トランプ政権時に事務方トップとして交渉に参加した関西学院大・渋谷和久教授も「相互関税に関する交渉は相当うまく行って、ほぼ終わっているのでは」と語るものの、自動車については「ものすごく溝が深いので、全体の合意ができないパターンだ」と苦戦する理由を説明した。

 日本政府からは赤沢氏が繰り返し訪米しトランプ氏をはじめ要人たちとの対談を試みるものの、アポイントが取れないまま押しかけるケースも多く、直近では対談は1時間のみ、その後は電話会談ということもあった。赤沢氏は初交渉の際にトランプ氏が同席したことに関し、自身を『格下の格下』と表現し、これが物議を醸した。これには文化通訳のネルソン・バビンコイ氏も「交渉術では日本が一番下手。必死さが伝わることがかえってマイナスにもなる。アポが取れない時点で日本が舐められている」とも指摘した。

 バビンコイ氏が提案するのは交渉の内容だけでなく、政治家としてのアピール力の強化だ。「英語力でいえば、カナダの政治家であればアメリカのテレビに出て訴える。それができる日本の政治家がいるのか」と疑問を投げかけ、また「トランプはテレビばかり見ている。FOXやCNN、BBCに出て、アメリカの発言の根拠がないことを気づかせないといけない。赤沢さんが滞在しているなら、テレビに出まくる方がよほど効果的ではないか」と語った。

 これに賛成したのが2ちゃんねる創設者・ひろゆき氏だ。「(テレビ出演は)結構アリだと思う。カリスマ性もあって英語が話せる。しかも(交渉材料である)コメ輸入の決定権がある小泉進次郎農林大臣はどうか。あの人がアメリカに行って『コメと自動車は自由にしようぜ』とFOXニュースやABCで言い始めたら可能性はあるのでは」と語った。これにはバビンコイ氏も「しかも首相の息子だから」とブランド力もあると乗り気だった。
(『ABEMA Prime』より)
 

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