9月26日、政府の地震調査委員会は、南海トラフ地震の今後30年以内の発生確率を見直した。南海トラフ地震では、関東地方から九州地方にかけて太平洋沿岸の広い地域に10mを超える大津波の襲来が想定されている。
東日本大震災以降、各地に津波避難タワーなどが設置され「津波の時は高台へ」という意識も定着している一方で、高台への避難は高齢者や体が不自由な人にとって大きな負担となる。その課題を解決しようと、まったく新しい考え方で避難シェルターの開発が行われている。
防災用品などの販売を行う「セットアップ横浜」が「クラミー技術研究所」と開発を行っているのは、「オクト5」という“地下設置型”の津波シェルターだ。
「オクト5」は、お風呂に洗面器を逆さまにして入れたときのように内部の空気を逃がさない構造となっており、津波の際に外からの水の侵入を防ぐ。高台に登る必要がないため、高齢者などの避難もスムーズに行えるのが最大のメリットだ。
設置場所として、防潮堤の内部や護岸道路の下などの活用、公共施設やコンビニの地下など、人が集まる場所に設置することでより多くの人を救うことができるという。実際に高速道路の運営会社にも道路の活用法として興味を持ってもらうなど、問い合わせなども増えてきているそうで、高台への移転が難しい川沿いの高齢者施設にも有効ではないか、との話も出ているそうだ。
開発を行うセットアップ横浜では実用化に向け、今後、大学研究機関と連携し安全性を確立しながら最終調整を進めていくという。
またプロジェクトをさらに発展させるため、自治体や企業など「未来の防災」を共に創るパートナーを募集しているということだ。(『ABEMA Morning』より)
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