小泉純一郎氏
【映像】「自民党をぶっ壊す」小泉純一郎氏の演説(実際の様子)
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 国民の声に答える場として、9月30日に自民党が総裁選の討論会を開催するなど、各候補が「国民の声」を聞く姿が印象的な選挙戦となっている。

【映像】「自民党をぶっ壊す」小泉純一郎氏の演説(実際の様子)

 政治取材は34年、総裁選は今回で17回目だという政治ジャーナリストの細川隆三氏は「国民の声」が大きなドラマを生み出した総裁選として、2001年の「小泉旋風」が印象に残っていると話す。

「2001年の総裁選挙の前が森喜朗総理。森さんの支持率が低くて、そのあとすぐ都議選があって、『もう森さんじゃ戦えないから森さん引いてくれ』と。そこで出てきたのが小泉さんだった」(細川隆三氏、以下同)

 このとき、総裁の座を争ったのが、麻生太郎氏、橋本龍太郎氏、亀井静香氏、そして、郵政大臣や厚生大臣を務めた小泉純一郎氏だった。有力視されていたのは、総理経験者で最大派閥を擁する橋本氏。

 そして小泉氏は、「党員票が主戦場」と訴えた。

「小泉さんが出てきて小泉旋風を起こして、動いたのは党員票。圧倒的に小泉さんを支持する党員が多かった。その時の総裁選挙は、党員票の結果は分かっていた。それで雪崩を打つように議員票も小泉さんに流れて圧勝した」

 その原動力の1つが、パートナーとしてタッグを組んだ田中真紀子氏だ。

「田中真紀子さんをそばに置いて2人で街頭演説とかやりまくった。田中真紀子さんも非常に歯切れがいい話をするから、小泉さんと田中真紀子さんのコンビが受けて、小泉旋風になった」

 結果は、党員票で圧倒的な差をつけた小泉氏が勝利。

「『自民党をぶっ壊す』このフレーズ。それから郵政民営化で解散したときは(民営化の是非を)『国民に聞いてみたい』。そういう小泉さんの演説の手法とか、それがどう映るかという戦術。それをドンピシャで当てた。これは誰もまねできない。誰もまねできない芸当だったと思う」

 ニュース番組『ABEMAヒルズ』のコメンテーターで政治学者の佐藤信氏は、小泉純一郎氏が勝った総裁選を次のように分析する。

「地方党員票で圧倒したと言われているが、この当時、県連の票なので今ほど大きくない。総裁選で、つまり自民党の中でも自民党員だけが参加している選挙で投票して自民党のリーダーを決めているわけなので、本当は国民に向かって喋る必要はない。それがすごく大きな変化。選挙で勝つためのリーダーを選ばないといけないとなると、選挙で誰が勝てるのか。自分たちの中で一番いいと思うリーダーではなく、国民がいいと思っているリーダーを自分たちが選ばないと、自分たちが勝てないという論理になっている。それがすごく特徴的」(佐藤信氏)

(『ABEMAヒルズ』より)

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