また元彼からは「お前はいかに無能な人間か」と日常的に言われ続け、「周りの人も全て断ち切られてるから、『こんな無能な人間と付き合ってくれてるんだ。ありがとうございます』みたいな気持ちになってしまう」と、精神的支配下に置かれていた当時の心境を振り返った。

 「とにかく日々が激しくって、女友達とご飯行くって言ったらめっちゃキレられて。もう女友達もダメだった」と、友人関係にまで厳しい制限があったことを明かした井上。そんな中、最も恐ろしかったのは、ある日の出来事だった。

 「私が鏡の前で色々準備してたら、彼が後ろで包丁持って鏡に映ってんですよ」と語り始めると、スタジオは緊張感に包まれた。「で、『え?』って思ってパって見たら腕が真っ赤になってて。で、もっと見たら、近くに赤いペンが転がってて」と、元彼が自傷行為をしたように見せかけていたことを明かした。

 「ちょっと面白かったんですよ。ペンが転がってるから。でも、彼は本気なんですよ」と、状況の異常さと滑稽さが入り混じる様子を語る井上。「私、10年以上日記をつけてるんですけど、そこにその出来事も書いたんですよ。『あれペンだったわ』みたいことを書いたら、彼は日記を読んでて、『俺これ本気だったんだけど』みたいにめっちゃ怒られて」と、プライバシーも全く守られていなかったことも告白した。

 「途中からこれは誰に行っても止められるだろうなって思ってたんで、やめといた方がいいのはわかってるんですけど、別れられなくて」と、苦しんでいた当時の状況を振り返った井上。「相談されたのに別れないのも、相談相手はイライラするだろうなと思って(言えなかった)。で、だんだん友達にも相談できなくなっちゃって、もう彼と私だけの2人の世界みたいになって。どんどんその沼にはまって」と、孤立していく恐ろしさを語った。

 「最初はなぜ好きになったの?」というぺえの質問に、「明るくて、楽しくて、なんか優しいみたいな。ほんとに普通の理由ですけど、底抜けに明るいけど、実際に会ってみたら、すごい淀んだ部分があるみたいなタイプの人で。なんかそこにもちょっと引かれちゃって」と答えた。

 「何回も別れようって決めたタイミングがあったんですけど、その当時プレハブに住んでたんですけど、『別れる』って言ったらプレハブのドアをもう四方から叩きまくって、『さくらちゃん!!』みたいに、朝6時とかまでずっと泣いてみたいな感じで」と、別れようとしても許してもらえなかった様子を語った。

 「最後どう別れるんすか?」という稲田の質問に、井上は「究極の選択」について語った。「彼は私の家の鍵を持ったんですよ。それで、『別れる代わりに鍵を返さないか、別れない代わりに鍵を返すか、どっちか』って言われたんです。『別れないか、鍵を持ってるか、どっちかの繋がりはあってほしい』って言われて」と、元彼からの最後の脅しのような提案を明かした。

 「じゃあ別れないで鍵を返して」と答え、鍵を取り戻した井上は「そっからもう別れた」と、機転を利かせて危険な関係から脱出したことを語った。

 この束縛彼との別れ後に付き合ったのがオズワルド畠中悠で、「こんなに穏やかな人いるんだ」と対照的な性格に惹かれたという。「連絡頻度とかも全然取らなくてもOKだし、私もそれに慣れちゃったりとかで、何してるかもお互い知らないし、今日どこにいるかも知らないし、みたいな」と、束縛のない健全な関係を築けたことを明かした。

 「どっちが正直さくらちゃん的にはいいんですか?」という稲田の質問に、井上は「いや、もちろん束縛系の人よりは、全然(畠中)。楽しく過ごせた」と答え、束縛関係から抜け出せて良かったという思いを語った。