心が折れたテレビ番組は?

水沢アリー
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水沢「『しゃべくり007』で、“第2のローラ”って出たことに驚いて。大学でも言われたことなかったし。ローラちゃんはステキな人だから、おこがましい気持ちとすごく嬉しい気持ちと」 

━━タメ口キャラの時は、共演者やスタッフからは理解されていたんですか? 

水沢「そうです。タメ口は素でやっていましたが『噛みつきキャラ』は求められたのでやっていて、それをしないと(テレビに)出ている意味がないって感じで。台本にもあって『ああ、こっちの流れに行くポイントになってほしいんだな』と分かったので、それをやっていた感じかな」 

 ある種、メディアが求めるキャラクターを演じていた水沢。しかし、それは諸刃の剣でもあった。 

水沢「収録は大好きだったんですけど、オンエアされたあとの世間からのバッシングが怖かったですね。当時は、こんなに若い女の子に対して文句を言ってくる人たちが世の中にたくさんいるってことに驚いちゃって。『死ね』とか『もう二度と見たくない』とか。今よりも規制がだいぶ緩かったのでDMというか。だから出演した番組を見ないようにしていました」 

 気丈にも、バッシングを受けながらテレビ出演を続けていたが、心が折れたことがあったという。 

水沢「顔のランキングをつけるみたいな番組があったんですけど、それがイヤすぎて、呼ばれて行ったら私が最下位で…事務所はOKしていて、マネージャーに『もう楽屋にいるんだから出ないと。プロでしょ』と言われて泣いてイヤイヤ出た。顔でランク付けされることを面白くできなかった自分にも傷ついたし、芸人さんからしたら最下位って“おいしい”のにそれに傷ついちゃったことは今でもショックだし『プロじゃなかったな』と思います」 

 学生時代から見た目への強いコンプレックスを抱き、美容整形を繰り返してきた水沢にとって、ルッキズムを助長する企画は受け入れがたいものだったという。 

水沢「当時は自分の容姿を受け入れきれていなかった。自分のことを愛しきれていない状態で蔑まれたので、それを“攻撃”として受け取っちゃった。もし今みたいに自分をもっと受け入れられていたら、それを笑いに変えて、番組自体を良くできたのに。申し訳ないなっていう気持ちの方が強いです。でも、もう一回やりたいかと言えばやりたくない」 
 

「1週間前。ヒアルロン酸をほっぺにちょっと」
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