「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉」キービジュアル
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 アニメ「魔法少女まどか☆マギカ(まほうしょうじょ まどか☆マギカ)」(通称:まどマギ)は、願いと引き換えに過酷な運命を課せられた魔法少女たちの戦いを描くダークファンタジーです。

【動画】アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』第1話

 2011年にシャフト制作のオリジナルアニメとしてテレビ放送がスタート。その後は映画として制作され、2012年に総集編「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編] 始まりの物語 [後編] 永遠の物語」が、2013年に「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編] 叛逆の物語」が公開されました。

 そして、10年以上の時を経て再始動。2025年10月12日から『「魔法少女まどか☆マギカ 始まりの物語/永遠の物語」TV Edition』がMBS/TBS系全国28局ネット「日5枠」にて放送開始しました。2026年2月には、新作映画「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉」も公開予定です。

 この記事では、アニメ「まどマギ」に登場した魔女を一覧で紹介。その性質やデザイン、元ネタの考察をまとめました。

目次

  • アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」とは
  • アニメ「まどマギ」魔女とは?
  • 薔薇園の魔女の基本情報・性質・正体
  • お菓子の魔女の基本情報・性質・正体
  • ハコの魔女の基本情報・性質・正体
  • 銀の魔女の基本情報・性質・正体
  • 影の魔女の基本情報・性質・正体
  • 人魚の魔女の基本情報・性質・正体
  • 芸術家の魔女の基本情報・性質・正体
  • 委員長の魔女の基本情報・性質・正体
  • 救済の魔女の基本情報・性質・正体
  • 鳥かごの魔女の基本情報・性質・正体
  • ワルプルギスの夜の基本情報・性質・正体
  • くるみ割りの魔女の基本情報・性質・正体
  • アニメ「まどマギ」魔女のまとめ

アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」とは

『魔法少女まどか☆マギカ』サムネイル
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 夢と希望を描く“魔法少女もの”とは一線を画す「魔法少女まどか☆マギカ」は、監督・新房昭之氏、脚本・虚淵玄氏、キャラクター原案・蒼樹うめ氏がタッグを組んだ作品です。ヒロインは、現代日本に暮らす中学生・鹿目まどか(かなめ まどか)。まどかを中心とする少女たちが、世界に災いをもたらす魔女と戦う姿を描きます。

 まどかは、どこにでもいる中学生です。しかし、ある夜、不思議な夢を見たことから、その平凡な日常は一変。夢に出てきた謎の生き物・キュゥべえが現実に現れ、まどかに人知れず世界を救う“魔法少女”の存在を明かします。「僕と契約して魔法少女になってよ」とキュゥべえに誘われ、まどかは恐ろしい魔女との戦いに身を投じていきます。

アニメ「まどマギ」魔女とは?

 作中において、魔女は人間の絶望から生まれる存在とされていました。しかし、ストーリーが進むにつれ、魔女が絶望した魔法少女の成れの果てであることが明かされます。

 魔法少女の魂であるソウルジェムに一定量を超える穢れが蓄積すること、さらにその穢れたソウルジェムがグリーフシードに変容するという段階を経て、新たな魔女が孵化する仕組みです。

 魔女には、魔女図鑑などで明かされた名前のほか、独自の文字で記される “真名”があります。真名が公式に明かされた魔女は少なく、有志のファンにより解読された名や表記が使われていることが多いです。

 ここからは、これまでアニメに登場した魔女を、一覧で紹介します。魔女の名前と正体、性質やデザイン、能力、登場話に加え、元ネタとなった作品の考察もまとめました。

薔薇園の魔女の基本情報・性質・正体

■名前 薔薇園の魔女(ばらえんのまじょ)
■正体 不明
■性質 不信
■能力 幻覚、巨大なハサミやバラのツタでの攻撃、結界内の人間の生命力を奪い薔薇に分ける
■登場話 第2話「それはとっても嬉しいなって」
■デザイン 薔薇の花びらのような巨大なスカートと頭の角が特徴。ハサミのような手でバラのツタを操る

 薔薇園の魔女の真名はGertrud(ゲルトルート)。結界内には、ドイツ人小説家のゲーテ作「ファウスト」の引用が書かれています。その真名は、同じくドイツ人の小説家ヘルマン・ヘッセ作「春の嵐」のヒロインであるゲルトルートが由来だと考えられます。

 薔薇園の魔女は、シリーズ最初に登場する魔女であり「まどマギ」の美しさと不気味さが融合した世界観を印象づけています。また、薔薇を偏愛する姿も、魔女が人間だったころの記憶や性質を引き継いでいることを暗喩しています。

お菓子の魔女の基本情報・性質・正体

■名前 お菓子の魔女(おかしのまじょ)
■正体 百江なぎさ(ももえ なぎさ)
■性質 執着
■能力 口から様々なものを吐き出す、人間を丸呑みにする
■登場話 第3話「もう何も怖くない」
■デザイン 第一形態は二足歩行のかわいらしいぬいぐるみだが、第二形態では巨大ないもむしになる

 お菓子の魔女の真名はCharlotte(シャルロッテ)。元ネタは、子どもを食べる魔女が登場するドイツの童話「ヘンゼルとグレーテル」だと考えられます。また、真名のシャルロッテは、童話を広めたグリム兄弟の妹と同名です。もしくはドイツの文豪ゲーテが恋に落ちた少女をルーツとしている可能性もあります。

 お菓子の魔女の正体は、劇場版「[新編] 叛逆の物語」に登場した魔法少女・百江なぎさ。お菓子の魔女は、巴マミ(ともえ まみ)を死に追いやり、魔法少女の逃れられない運命を強く印象付けるストーリーのターニングポイントとなりました。アニメ「まどマギ」公式サイトにある魔女図鑑には大好物はチーズで「チーズさえ持っていれば簡単に隙をつくことが出来ただろう」とあります。

ハコの魔女の基本情報・性質・正体

■名前 ハコの魔女(ハコのまじょ)
■正体 不明
■性質 憧憬
■能力 結界内を箱庭のような夢の世界に変え、人間をガラスの箱に閉じ込める
■登場話 第4話「奇跡も、魔法も、あるんだよ」
■デザイン パソコンのような箱型のボディーに、長いツインテールがついている

 ハコの魔女の真名の正式な表記・読み方は不明です。ファンの間ではH.N.Elly(Kirsten)ではないかいわれ、「エリー」や「キルステン」と呼ばれることが多いようです。パソコンのモニターのようなデザインになっていることから、H.N.がハンドルネームの略である可能性も考えられます。エリーに関しては不明ですが、人魚姫の作者アンデルセンは「Liden Kirsten(小さなキルステン)」というオペラ作品を制作しています。

 ハコの魔女は、筋金入りのひきこもり魔女です。箱庭のような結界は外界を拒絶し、内向的な妄想の世界に閉じこもっていることを示唆しています。

銀の魔女の基本情報・性質・正体

■名前 銀の魔女(ぎんのまじょ)
■正体 不明
■性質 自由
■能力 突進攻撃、高速移動
■登場話 第7話「本当の気持ちと向き合えますか?」
■デザイン バイクの部品がモチーフとなった、錆びついた色の魔女

 銀の魔女の真名の正式な表記・読み方は不明です。ファンの間では、独自文字のつづりはGisela、読み方は「ギーゼラ」ではないかとされています。銀の魔女の元ネタとして考えられるのは、悲恋を描いた古典バレエ作品「ジゼル」です。真名とされるGiselaはドイツ語圏で使われる女性名で、フランス語のジゼルにあたります。

 「まどマギ」のモチーフの多くは欧州の古典作品であるため、毛色が異なりますが、ジゼルという女性がバイクを颯爽と乗り回すシーンが話題となった映画「ワイルド・スピード MEGA MAX」という説もあります。

 銀の魔女は第7話の杏子の回想シーンに登場します。魔女図鑑には「かつては全身目も眩むほどの銀色であったが、海岸線の夕日を眺めているうちにずいぶんと錆びてしまった」と記載があります。

影の魔女の基本情報・性質・正体

■名前 影の魔女(かげのまじょ)
■正体 不明
■性質 独善
■能力 触手攻撃、影の中を自在に移動する、修道院や墓地のような空間を作り出す
■登場話 第7話「本当の気持ちと向き合えますか?」
■デザイン 全身が真っ黒、ロングヘアーの女性の姿をしている

 影の魔女の真名の正式な表記・読み方は不明です。ファンからはElsamariaではないかと言われていて、読み方は「エルザマリア」と考えられます。元ネタは不明ですが、結界が修道院をモチーフにしていることから、キリスト教に縁のある名前が選ばれたのではないでしょうか。Elsaはヘブライ語で“神の誓い”を表すElizabethが、Mariaはヘブライ語にて“神の贈り物”を表すmiryamが由来とされています。

 影の魔女は、すべての生命のために祈り続ける魔女です。しかし、その祈りはあらゆる命を平等にその暗闇へと引きずり込みます。

人魚の魔女の基本情報・性質・正体

■名前 人魚の魔女(にんぎょのまじょ)
■正体 美樹さやか(みき さやか)
■性質 恋慕
■能力 高速移動攻撃、巨大な車輪を操る
■登場話 第9話「そんなの、あたしが許さない」
■デザイン 鎧・マント・剣を身につけた巨大な人魚

 人魚の魔女の真名はOktavia(オクタヴィア)。ファンからOktaviaという名前の後に、Von Seckendorffと続いているのではないかと言われています。Oktaviaは、ラテン語で8番目を意味する名前です。人魚の魔女の元ネタは、デンマークの作家アンデルセンの童話「人魚姫」と考えられます。

 人魚の魔女の正体は、大切な人への献身が報われずに絶望した美樹さやかです。その結界の中には、恋心を抱いていた上条恭介(かみじょう きょうすけ)への想いがあふれています。

芸術家の魔女の基本情報・性質・正体

■名前 芸術家の魔女(げいじゅつかのまじょ)
■正体 不明
■性質 虚栄
■能力 ことばで人の心を拐かす
■登場話 第10話「もう誰にも頼らない」
■デザイン 凱旋門に似た建築物の姿

 芸術家の魔女の真名の正式な表記・読み方は不明です。ファンからIsabelではないかと言われていて、「イザベル」と呼ぶことが多いようです。真名は、結界に登場するスペインの画家・ピカソ作「Queen Isabella」が由来と考えられます。Isabelには、“神に献身的”という意味があります。

 芸術家の魔女は、ほむらの回想によって明かされた、最初の時間軸で初めて遭遇した魔女です。ほむらが、まどかとマミが魔法少女であることを知るきっかけになりました。

委員長の魔女の基本情報・性質・正体

■名前 委員長の魔女(いいんちょうのまじょ)
■正体 不明
■性質 傍観
■能力 蜘蛛の糸のようなものを吐き、結界を学校の教室に変える
■登場話 第10話「もう誰にも頼らない」
■デザイン セーラー服を着た少女がモチーフだが、首がなく、蜘蛛のように腕が多い

 委員長の魔女の真名の正式な表記・読み方は不明です。ファンの間で使われている表記はPatricia、読み方は「パトリシア」ではないかと言われています。Patriciaは、古代ローマの貴族階級patriciiにルーツを持つ“高貴な” “洗練された”という意味の名前です。アイルランドにキリスト教を布教したパトリックという聖人も存在しています。

 委員長の魔女は、ほむらの過去編にて登場する、ほむらが最初に戦った魔女です。

救済の魔女の基本情報・性質・正体

■名前 救済の魔女(きゅうさいのまじょ)
■正体 鹿目まどか
■性質 慈悲
■能力 地球のすべての生命を強制的に吸い上げる
■登場話 第10話「もう誰にも頼らない」
■デザイン 山のような巨体と繊維状の体をしている

 救済の魔女の真名の正式な表記・読み方は不明です。ファンからKriemhild Gretchenではないかと言われていて、「クリームヒルト・グレートヒェン」と呼ばれることが多いようです。真名の由来は、ドイツ叙事詩「ニーベルンゲンの歌」の王女クリームヒルト、またドイツ人小説家ゲーテ作「ファウスト」のヒロイン・マルガレーテ(愛称・グレートヒェン)と考えられます。

 救済の魔女の正体は、何度も魔法少女として契約し、絶望を繰り返した鹿目まどかです。この世のすべての悲しみと苦しみを終わらせるため、世界そのものを破壊しようとしています。

鳥かごの魔女の基本情報・性質・正体

■名前 鳥かごの魔女(とりかごのまじょ)
■正体 不明
■性質 憤怒
■能力 不明
■登場話 第10話「もう誰にも頼らない」
■デザイン 鳥かごの中に閉じ込められた下半身の姿

 鳥かごの魔女の真名の正式な表記・読み方は不明です。ファンからRobertaではないかと言われていて、「ロベルタ」と呼ばれることが多いようです。魔女の元ネタは、少女を小鳥に変えて飼育する魔女が登場するドイツ童話「ヨリンデとヨリンゲル」と考えられます。

 鳥かごの魔女は、ほむらが時間停止の能力にて撃破したため、その戦闘能力は不明です。

ワルプルギスの夜の基本情報・性質・正体

■名前 舞台装置の魔女(ぶたいそうちのまじょ)・ワルプルギスの夜
■正体 複数の魔女の集合体
■性質 無力
■能力 黒い触手による物理攻撃、触手を使い魔に変化させる
■登場話 第11話「最後に残った道しるべ」・12話「わたしの、最高の友達」
■デザイン 半透明のヴェールと青いドレスを纏ったような女性の姿で、頭部には上半分がなく2本の角が生えている

 ワルプルギスの夜と呼ばれる舞台装置の魔女の真名は、表記・読み方ともに不明です。独自の文字では「?????」と記載されています。魔女の由来は、ゲーテの小説「ファウスト」に登場する同名の“魑魅魍魎の宴”が元と考えられます。

 その正体は、これまで魔女となった魔法少女たちの集合体です。ほかの魔女とは違い、古代の文献にも記載があり、その存在をキュゥべえも認知しています。文明を瞬く間に破壊してしまう災害級の攻撃力を持つ、別格の魔女です。アニメ第6話にて名前が登場し、過去の回想として第10話にも登場していました。

くるみ割りの魔女の基本情報・性質・正体

■名前 くるみ割りの魔女
■正体 暁美ほむら(あけみ ほむら)
■性質 自己完結
■能力 時間操作
■登場話 劇場版「[新編] 叛逆の物語」
■デザイン ほむらの魔法少女時代の服を纏いながら、上半身は骨が剥き出しになっている。また、頭部の上半分がなく、彼岸花を咲かせている

 くるみ割りの魔女の真名の正式な表記・読み方は不明です。ファンによる解読ではHomulilly、「ホムリリィ」と呼ばれることが多いようです。ドイツ人作家ホフマンの童話「くるみ割り人形とねずみの王様」や、それをもとに作られたバレエ作品「くるみ割り人形」が元ネタと考えられます。

 その正体は、ほむらがまどかを円環の理(えんかんのことわり)から普通の少女に戻そうと足掻き、絶望した姿です。しかし、ほむらは魔女のまま消滅はせず、強い願いによって別の存在へと生まれ変わりました。

アニメ「まどマギ」魔女のまとめ

「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉」鹿目まどか場面カット
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 アニメ「まどマギ」の作中に登場した魔女を一覧で紹介しました。その正体がわかっている魔女は、お菓子の魔女(百江なぎさ)・人魚の魔女(美樹さやか)・救済の魔女(鹿目まどか)・くるみ割りの魔女(暁美ほむら)です。

 また、舞台装置の魔女(通称:ワルプルギスの夜)の正体は絶望した魔法少女たちの集合体であり、歴史に名を残すほどの大災害を引き起こしてきた存在です。

 再始動した「まどマギ」ワールドにて、魔女たちはどのような形で描かれるのでしょうか。2026年2月には、最新映画「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 〈ワルプルギスの廻天〉」が公開予定です。

 映画に先駆けて、2025年10月から「『魔法少女まどか☆マギカ 始まりの物語/永遠の物語』TV Edition」がMBS/TBS系の日5枠にて放送されます。映画公開にむけて、これまでの魔女と魔法少女たちの戦いをおさらいしてみてはいかがでしょうか。

(C)Magica Quartet/Aniplex,WR
(C)Magica Quartet/Aniplex,Madoka Project

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