「台湾有事は存立危機」高市総理の発言 「今後は明言慎む」も撤回せず 中国が猛反発
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 高市早苗総理大臣が「台湾有事は日本が集団的自衛権を行使できる存立危機事態になり得る」と発言したことについて、「今後、特定のケースを想定したことを国会で明言することは慎む」と語りました。中国側は一連の発言に強く反発しています。

【画像】「その汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやる」とSNS投稿した中国の駐大阪総領事

集団的自衛権行使の可能性

立憲民主党 大串博志衆院議員
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立憲民主党 大串博志衆院議員(60)
「(発言の)軌道修正をされた方がいいと思うが、いかがでしょうか」

高市早苗総理大臣
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高市総理
「武力攻撃が発生していない場合に『存立危機事態』を認定することはございません。いわゆる台湾有事と思われるようなケースについての問いかけでしたので、最悪のケースを想定した答弁をいたしました」

 7日、台湾有事について日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」になり得ると踏み込んだ高市総理。台湾有事への対応を巡っては、アメリカでさえ具体的に明言していない「あいまい戦略」を取っています。

アメリカでさえ「あいまい戦略」
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 野党は高市総理に発言の撤回を求めました。

大串議員
「これが事態認定されれば、防衛出動です。すなわち日本の国として戦争に入るということなんですよ」

高市総理
「どのような事態が存立危機事態に該当するかについては、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府がすべての情報を総合的に判断すると、繰り返し答弁をいたしております」

大串議員
「撤回や取り消しはされないということで、総理よろしいですか」

高市総理
「政府の従来の見解に沿ったものですので、特に撤回取り消しをするつもりはございません。今後、特定のケースを想定したことについては、この場で明言することは慎もうと思っております」

2022年の環太平洋合同演習
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 台湾有事の状況によってはアメリカ軍とともに武力行使に踏み切る可能性を示し、歴代政権の見解を踏み越えた形の高市総理の発言。

「内政に干渉するもの」中国反発

中国の薛剣駐大阪総領事
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 中国の薛剣駐大阪総領事(57)は8日、SNSにこう投稿しました。

「その汚い首は一瞬の躊躇(ちゅうちょ)もなく斬ってやるしかない。覚悟ができているのか」(※現在は削除)

木原稔官房長官
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 日本政府は強く抗議し、9日夜の時点で投稿は見られなくなっています。

木原稔官房長官(56)
「その趣旨は明確ではないものの、中国の在外公館の長の言論として、極めて不適切と言わざるをえません」

ジョージ・グラス駐日アメリカ大使
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 ジョージ・グラス駐日アメリカ大使(65)も薛剣氏をSNSで非難しました。

「高市首相と日本国民を脅しにかかっている。中国政府は『良き隣人』を口癖のように繰り返すが、全く実態が伴っていない。いい加減にその言葉通りの振る舞いを示すべきではないか」

中国外務省の林剣副報道局長
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 一方、中国外務省は一連の高市総理の発言に猛反発しています。

林剣副報道局長(48)
「中国の内政に横暴に干渉するもので極めて悪質です。強く不満を表明し、断固として反対します」

中国の習近平国家主席
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 習近平国家主席との日中首脳会談直後の答弁でメンツがつぶされた形の中国。今後の日中関係に影響が出る可能性も出てきました。

(「グッド!モーニング」2025年11月11日放送分より)

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