
スマホで何でも管理できる時代にあえて「紙の手帳」を選ぶ人が増えています。予定を書き込むだけでなく、「心を整える道具」となっています。
【画像】左利きの手帳、お姫さま手帳、朝活手帳 ユニークなタイプも
前年比120%の売り上げ
「手帳を書く派です。書く方が自分の気持ちに刻まれるし、脳にも刻まれるかなという感じがすごくします」
フランス語の教師をしている女性(60代)が手にしていたのは、鮮やかな赤い手帳。ページをめくると、スケジュールごとに色とりどりのマーカーが引かれ、ハートマークなどの目印が付けられています。
「この日までにこれをしたいという目標とか入れたりもしています。ここは旅行なんですけど、こっちがこの日までに結婚するじゃないけど、そういうのを入れています」
今年のやりたいことを書くページには、16個の目標が書かれていました。
スケジュール管理やメモ帳など身の回りのものが次々とデジタルに置き換わるなか、「アナログ手帳」の売り上げが増加しています。
都内の生活雑貨店には、来年度の手帳およそ3000種類がズラリと並んでいました。ロフト広報の横川鼓弓さんはこう話します。
「先月は前年に比べて、120%ぐらいの売り上げになっている」
スケジュールを管理するだけの手帳は今や昔。トレンドは「日記のような手帳」です。
「その日の天気や気分、動画を見た時の感想を簡単に書けるようなフォーマットになっている。日記とスケジュールと、両方管理したい方にお薦めの手帳」
きょうあった一番の出来事や食べたごはん、見た映画の感想や評価を簡単に書き留められるという手帳。絵文字や星マークによる5段階評価で記録でき、手帳初心者の人にも使いやすい仕様になっています。
スマホ連動型も登場
日付の欄が空白になっている手帳は、思い立った時に自由に書き込めるのがウリです。
「毎日書かないといけないわけではなく、書きたい時にだけ書けるようなフォーマットになっている。今、バッグも小さくなっているので、小さいタイプの手帳というのも今年はたくさん登場している」
他には左利き専用の手帳や、執事からの質問に答えてお姫さま気分が味わえる手帳、朝専用の朝活手帳などユニークなタイプも登場しています。
さらに、手帳とデジタルの二刀流で管理したい人向けの商品もあります。アプリをダウンロードし、専用のペンと手帳を使うだけで、手書きのスケジュールがスマートフォンのGoogleカレンダーなどと連動。デジタル化される手帳が登場しています。
スケジュールだけでなく、自分の感情や出来事も書き込めるタイプが主流になっている手帳。その背景について、専門家・日本スケジューリング協会FORCEスケジュールブック開発者の浅野夏悠さんはこう話します。
「デジタルでスピード感が早いということと、情報量が多いというところでたまっていく情報量や心のもやもやを書き出す、そもそもデトックスが求められている。心の声をそのまま書くみたいな。みなさんが特に今注目されている書き方」
(「グッド!モーニング」2025年11月11日放送分より)
この記事の画像一覧
