大晦日に泊まったという良純は、慎太郎さんが早い時間から「もう寝るから睡眠薬持ってこい」「仕事する」など“わがまま”を言っていたと漏らす。そして「お父さん、こういう機会もないんだから話ししようよって言ったら、怒鳴られたんですよ。何様のつもりだ!って」さらに「ちょっと仕事したからっていい気になるんじゃねえ!親に向かってなんて口きくんだ!って」とコテンパンにされたことを明かした。

 一方、翌日に泊まった三男・宏⾼は「深夜11時半くらいに突然ウィスキー飲みたいと言われて」と話すも、ストローで2、3口つけたところでもういらないと言って寝てしまったとのことで「(他の)兄弟のほうが最後父と話せたんじゃないかな」とぽつり。

 3日目に泊まった長男・伸晃も、深夜2時頃に「ブランデーを持ってこい」と言われて手渡すも、慎太郎さんは少し舐めた程度だったと話す。ただ、その後は「オイ!お前の大学生のときの彼女はなんて名前だった?とか、とりとめのない話を延々として…」「時空がぐるぐる回っちゃっていて、ああお父さんもう全然違うところにいるなって感じの会話でしたね」と寂しさを漂わせた。

 四男・延啓は、その際にはほとんど話をしなかったものの、それ以前に「色々と話した」と語る。内容は「死ぬことに向かっていくような話」だと言い、「俺の人生で一番の仕事って何だったんだろうとポツリと言われて。僕なんてわからないじゃないですか。なので答えを模索していたら、創造的な世界にひとつのやり方を投げかけることはできたよな…と言ったり」また「ただただ懐かしい、ノスタルジーしか感じないて言ってました」と振り返った。

 そして「父は最高傑作って何?って聞いたら『今書いてる小説に決まってんだろ』とかそういう人だったんだけど、昔の方に視点がいっていたんで、ああやっぱり父の晩年に差し掛かってるんだなって気持ちがしましたね」としみじみ。

 それを聞いた良純は「そういう話をしたかったんだよ」とぼやき、笑いを誘った。
(『徹子の部屋』より)

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