■裏垢女子になりすまし最高月収80万円

ジン氏の活動
拡大する

 表の顔を隠し、別の自分として投稿をする「裏垢女子」は確かに存在する。研究者・山内萌氏は、過去に裏垢女子界隈を取材した経験がある。「本当の裏垢女子は、『#裏垢女子』なんていうハッシュタグは使わない。そちらにはフォロワー数が10万人というような人もいて、市場が成立している」と語る。一方、その他の大多数は業者が出会い系サイトなどへの勧誘などを目的として運営している“なりすまし”で、その中で50個のアカウントを運営しているのがジン氏だ。

 なりすまし業者の流れとしては、男性が裏垢女子のアカウントで「仲良くなりたいな」など投稿し、男性の興味を引く。ここから実際に会いたいと思った男性を、出会い系サイトやLINE登録などに誘導。アプリダウンロード(1件につき300~500円)やLINE登録(200~350円)が成立すると、仲介している広告代理店から報酬が出るという。

 ジン氏は「罪悪感とかは正直考えたことがない。淡々とやっていたので、そこまで考えていない」と語る。投稿内容は、いかにも女性であるように寄せていくといい「拡散がすごい。いろいろな年齢層の男性にリーチするので、そこから収益が発生する」と、女性に興味を持つ男性の欲求の強さを感じるという。50個のアカウントを運用しながら月収としては20~30万円、最高で80万円を稼ぎ出し「副業として始めたが、今は本業みたいなもの」。露骨に性的なものを打ち出すよりも、むしろ「最近はエロすぎない方が伸びやすい」と、より本物らしい方が拡散力が強いとも明かした。

■なりすましは詐欺になる?

 アカウント上は女性ながら、実際には男性が運用し、かつ出会いをほのめかす行為は法に触れないのか。弁護士・深澤諭史氏は「詐欺はそう簡単に成立しない」という。理由としては「詐欺罪が成立するには、その行為によって、騙された人が財産を処分するだとか、そのサービスを提供した結果、財産の利益を得る必要がある。ユーザーがサイトに登録しているだけであれば(騙した人が)ユーザーから何か奪っているわけでもないので、少なくともユーザーとの関係で詐欺罪は考えにくい」と説明した。

 ただし、なりすましアカウントに使われる女性の画像については、違法となる可能性も含まれている。「他人が撮った写真であれば著作権が発生するので、それを使えば著作権侵害の可能性はある。特にネットで拾ったものを使うトラブルはよくあることだ。また、肖像権についても、権利侵害で民事上賠償責任が生じることもある。変わったところでは、ある人の顔を使っていやらしい発言をさせることで、その人の評判を落とすという嫌がらせがある。勝手に人の顔写真や名前を使い、出会い系サイトに登録していやらしい投稿をすれば、名誉毀損で捕まることもある」。
(『ABEMA Prime』より)
 

この記事の画像一覧
この記事の写真をみる(3枚)