【SVリーグ】ヴィクトリーナ姫路 3ー2 KUROBEアクアフェアリーズ(11月22日・女子第7節)
【映像】かつて“美人双子”として人気 元韓国代表が涙のポイントゲット
女子バレーで、選手が思わず感極まるシーンがあった。今季からSVリーグに電撃参戦し、4年8カ月ぶりにコートに立った母国で“次世代スター候補”といわれていた元韓国代表選手が、マッチポイントでスパイクを決めた直後に歓喜、安堵の涙を浮かべた。
11月22日の大同生命SVリーグ女子の第7節、ヴィクトリーナ姫路はKUROBEアクアフェアリーズと対戦。試合はフルセットにもつれ込む一進一退の攻防を見せていた。
迎えた第5セットは、姫路がリードするもKUROBEに追い上げを許し、スコアは14―13とまさに白熱の展開。KUROBEの選手が祈るように見守る中、サーブが投じられた。
これを受けた姫路は、1往復のラリーの後、相手のスパイクをリベロ・福留慧美がダイビングレシーブ。そしてアウトサイドヒッターの田中咲希が選んだのはレフトへのトスだった。ふわりとしたボールに合わせるようにジャンプしたイ・ジェヨンはワンタッチを狙ってスパイク。直後、線審は一瞬、フラッグを挙げてアウトの判定を下しかけたものの、すぐさまワンタッチがあったと判定。これにはイ・ジェヨンも手を挙げて自身の得点を主張し、得点が認められるとチームメートの歓喜の輪の端に座り、歓喜と安堵が入り混じる表情を見せていた。
仲間がその背中をポンポンと叩いて労う中、本人は感極まって涙している様子。勝利を決めたポイントということもあるが、ここまで感情的になったことにはワケがあった。
元韓国代表のアウトサイドヒッターは、今季から姫路に入団。ただし、それ以前は、2021年に過去の出来事が問題視されて韓国内での無期限出場停止となっていた。その後、ギリシャに活躍の場を求めたものの、膝の故障で離脱し、2024年には事実上の引退を表明していたという。そんな波乱に満ちた歩みの末に電撃復帰を果たしたのだ。
姫路への入団に際して、「過去に起きた出来事については真摯に受け止め、反省しています。バレーボールを続けていくか悩みましたが、私にとってバレーボールはかけがえのない存在であり、今回またプレーをするチャンスをくださったチームのみなさんには心から感謝しています」とコメントしていた彼女はこの日、途中出場で活躍。試合後には伊藤麻緒と共にプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれ、ファンの前で「私自身、4年8カ月ぶりにコートに立っていますけど、選手・コーチ、スタッフのみなさま、そしてファンのみなさまのおかげでコートに立つことができています。ありがとうございます」と感謝を伝えた。
試合には祖国、韓国からのファンも詰めかけるなどその期待に応えるパフォーマンスを示し、フルセットの激闘の中、チームを劇的な勝利へと導いた。(ABEMA de J SPORTS/SVリーグ)
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