【写真・画像】高市総理、「存立危機」の真意を説明するも…「政府のこれまでの答弁をくり返すだけでは予算委員会を止められてしまう可能性もある」→議場内にヤジ噴出 1枚目
【映像】ヤジ噴出の瞬間(実際の様子)

 立憲民主党の野田佳彦代表は、26日の党首討論において、「存立危機事態」に関する高市早苗総理の国会答弁について追及した。

【映像】ヤジ噴出の瞬間(実際の様子)

 野田代表は「総理のご発言は事前に政府内や自民党内で調整した上での発言ではなかったと思う。同盟国であるアメリカは台湾について“曖昧戦略”をずっととってきた。だとするならば、日本も曖昧戦略でいくべきところを日本だけ具体的に姿勢を明らかにしていくことは、これも国益を損なうことだと私は思う。独断専行だったのではないか? そのことによってこのように日中関係が悪化してしまったことについて、総理はどのような責任を感じているか?」と質問。

 これに高市総理は「日中関係は首脳会談で確認しあった通り、戦略的互恵関係を包括的に構築していく、そして安定的で建設的な関係を構築していくことを確認した。そして、お互いに懸念や課題があった場合には、首脳同士のコミュニケーションを通じて解決していくことを確認した。現在、高市内閣ではこの方針を堅持している。そして、日本は常に中国に対して、対話に関しては建設的、そしてまたオープンだ。だから、今後やはり対話を通じてより包括的な良い関係を作っていく、そして国益を最大化する。これが私の責任だと感じている」と答えた。

 野田代表は「総理の発言から端を発してこうした状況が生まれたことについて、どのように責任を感じているかというお尋ねをさせていただいた」と話すと議場内から「そうだ!」の声が上がった。

 さらに野田代表は「今残念なのは、質問をした人が批判にさらされていることだ。これは筋違いの批判だと私は思う。やはり発言者の責任は重たい。その発言の背景について改めてお伺いをしたいと思うが、私は日本のトップが台湾有事の際に様々なシミュレーションでいろいろなことを考え巡らしていくことは、私は大事なことだと思っている。特に邦人保護のためにどうしたらいいかなどは、やはり責任ある立場の人が真剣に考えておかなければいけない。(高市)総理は一議員の頃からこういうことを考えてらっしゃったと思うし、そのこと自体を否定するものではない。ただし、一議員の頃から考えていたことを総理大臣になって自衛隊の最高指揮官として言葉にしていいかというのは、これは別の問題だと私は思う。自衛隊の最高指揮官だから、自論を“うっかり”発言するということは軽率だと思う。私は、今回はそうしたケースに当てはまるのではないかと思う」と発言。

「台湾の問題は、中国は国内問題だと思っている。『核心的利益の核心』と言っている。だから改めて総理の発言の真意を聞かせてほしい。また改めて、中国が台湾を海上封鎖した場合、それが戦艦を使って、そして武力の行使を伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得るケースと答弁をされた。このお話をされた真意と、改めて政府の公式見解をお伺いしたい」と続けた。

 これに高市総理が「いかなる事態が存立危機事態に該当するかということについては、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して政府がすべての情報を総合して判断するということ、これはくり返し答弁している。これは平和安全法制成立当時の安倍総理の答弁もそうだったが、私もくり返し述べてきたものだ。そして、ではなぜそういう答弁をしたかということだが、予算委員会で質問されて、今ほど申し上げた答弁を私はした。その後、質問者の方が我が党の麻生副総裁や私の名前を挙げ、私の場合は2回前の総裁選挙の時に、フジテレビの番組の中で、橋下徹さんから具体的に台湾有事などについて問われた時に答えたことを申し述べられ、そして質問者の方から、台湾有事に限定して、またシーレーンの封鎖ということにも言及されての質問があった。その時に、私も具体的なことに言及したいとは思わなかったが、こと予算委員会だ。だから、政府のこれまでの答弁をただもう一度、もう一度とくり返すだけでは、場合によっては予算委員会を止められてしまう可能性もある」と話すと議場内の様々な場所からヤジが噴出した。

 議場内がざわつく中、高市総理は「やはり国会議員、国会議員の皆様は全国民の代表だ。具体的な事例を挙げて聞かれたので、その範囲で私は誠実に答えたつもりだ。ただ、政府の見解をくり返すが、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して政府が全ての状況を総合して判断するということ、これも何度も答えている。台湾については、これは非政府間の実務関係として維持している。そしてまた、サンフランシスコ平和条約で、我が国は台湾に関する全ての権利・権限を放棄しているので、台湾の法的地位や認定をする立場にはない。あくまでもこれは、聞かれたことに対して言える範囲で答弁をさせていただいたが、日本国政府の統一見解は昨日閣議決定をさせていただいたが、先ほど来答弁をした通りでそれ以上でもそれ以下でもない」と話した。

 野田代表は「公明党の斉藤代表の質問主意書に対して閣議決定された文章を読ませていただいた。私は、あの答弁、そして今、基本的な政府見解、改めて確認をさせていただいたが、それをこれからもくり返しくり返しくり返し総理を先頭に説明をしていかなければいけないと思う。そこから一線を超えることのないようにしていただきたい。ちょっと今超えそうな感じがあったので心配になったが、それを超えることのないように、くり返しくり返し、それは重層的に様々なレベルで説明をしていただきたいと重ねてこれは要請をさせていただきたい」と述べた。

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