
山形県内の自治体に「ふるさと納税」して届いたコメの返礼品が、実は「熊本県産」だったことが発覚しました。その数は1900件、なぜこんなことが起きたのでしょうか。
【画像】ふるさと納税の謎 山形米のはずが販売者の住所は福岡県…実は熊本産
コメ袋に福岡県の精米業者名
山形県飯豊町に、ふるさと納税した男性。返礼品は新米でした。
「コメどころ山形のおいしいおコメが届くイメージだったので。税金と食品を扱っているのに、すごく不信感を持ちました」
「つや姫」や「ひとめぼれ」など有名な地元の銘柄米のうち、どれかが送られるというものです。
ところが、10月下旬に届いたコメの袋にあったのは「複数原料米」の文字。「ブランド米」ならぬ「ブレンド米」です。
すると、同じ日に飯豊町役場から1通のメールが届きます。
「お届けいたしました返礼品の内容と表記に誤りがあることが判明いたしました」
男性にはもう1つ疑問がありました。コメ袋に記載された販売者の住所が「福岡県」だったのです。
山形県産のコメなのに、なぜ福岡県の精米業者なのでしょうか。飯豊町から男性にこう返信がありました。
「間違いなく飯豊町のお米でございます」
しかし、男性の懸念は嫌な形で現実のものとなります。飯豊町の説明に納得がいかず、福岡県の精米業者に連絡すると「実は熊本県産です」と返答があったいいます。
番組が飯豊町役場に確認すると、返礼品として送ったコメが「熊本県産のブレンド米」だったことを認めました。
飯豊町のふるさと納税担当者はこう説明しました。
「おコメを精査するよう返礼品提供事業者に指示をしたところ、11月中旬に熊本県産米だったと報告を受けました。寄付者の方にはご迷惑をおかけして申し訳なかったと思っております」
一方で…。
「あくまで配送の間違いで、なんら違法性も問題もないと思っています」
「業者が間違えた」飯豊町
飯豊町の説明によると、地元周辺で返礼品のコメを精米できる工場が見つからず、福岡県の精米業者に委託することになりましたが、山形県から福岡県までコメを輸送して精米後に発送する過程で、業者が送るコメを間違えたということです。
町によると、熊本県産を送ったのはおよそ1900人で、地元産のコメを送り直しているといいます。
番組が取材を進めると、さらに不可解な点が浮上してきました。
飯豊町のふるさと納税業務の関係者によると、「おコメが福岡へ運ばれたのは11月に入ってからでした」といい、返礼品のコメが発送された10月下旬の時点では、飯豊町産のコメはまだ山形県内の倉庫にあったことになります。
返礼品提供事業者や精米業者は番組の取材に「ミスがあった」ことを認めていますが、詳しい原因の説明はしていません。
改めて飯豊町のふるさと納税担当者は「現地確認をし、全容把握に努めて参ります」と、1日から職員を派遣し業者を調査するということです。
(「グッド!モーニング」2025年12月1日放送分より)
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