研修を終えた若手医師が直接、美容医療に進むいわゆる“直美(ちょくび)”が増えていることについて、12月1日の参院本会議で日本維新の会の新実彰平議員が厚生労働大臣に切り込んだ。
この日は医療法改正案について、上野賢一郎厚労大臣の趣旨説明と与野党の議員から質問があった。このうち、若手医師が直接、美容医療に進むいわゆる“直美”について取り上げたのは維新の新実議員だ。
これまで、2年間の研修を終えた医師は内科や外科といった保険診療を中心に経験を積むのが一般的だったが、近年は慢性的な医師不足が進むなか、自由診療が中心の美容外科に直接進む医師が増えているという。
「資格を得てまもない医師が直接美容外科に就職する、いわゆる“直美”の問題も看過できません。医師1人を養成するのに1億円ともいわれる公費が投じられるなか、未来ある医師がその国家資格を人の命と健康を守る医療の根幹に使おうとしないことは社会的な損失でもあります。この、“直美”の問題を政府はどう考えていますか。また本法案が機能し、日本専門医機構の定める専門医のいる美容外科が選ばれる市場を作れれば、医師による“直美”の選択が減ってくるように思います。“直美問題”に関する本法案への期待について教えてください」(新実議員)
この発言のさなかには議場からは「そうだ」という声が挙がった。
これに対して、上野厚労大臣は次のように答えた。
「いわゆる“直美”の問題についてお尋ねがありました。医師がどのような診療科を選択するかは医師個人の自由ですが、多くの医師が特定の診療科を選択することで、そのほかの必要な診療科で医師不足となることがあれば、好ましい状況ではないと考えられます。本法案においては、美容医療を行う医療機関による定期的な報告・公表制度を創設し、都道府県等が専門医資格の有無、安全確保措置の実施状況等を把握し、公表する、といった内容を盛り込んでおり、これにより適切な美容医療が提供されるような環境の整備をはかってまいります」(上野大臣)
(『ABEMA NEWS』より)
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