——桜を演じるにあたっては、葛藤もあったと伺いました。
水上:そうですね。実際に生身の人間が演じることに対して、相当な課題や問題が山積みになると予想していたのでその折り合いと、オファーをくださった方々への期待にどれだけ応えられるかということをすごく考えました。この作品はもともと漫画やアニメとして(一種のファンタジーのように)ひとつのエンタメとして成立していると思っているので。
——実写映画では生身のお芝居になるため、表現の土台が変わってきますよね。
水上:たとえば、本作の取材中に高校生のインタビュアーの方に「自分たちの周りに、拳でてっぺんを取りたいと言いながら喧嘩している男の子はいますか?」と逆に質問してみたのですが、いないという答えが返ってきて。
相手を殴ったらどれくらい痛いのか? 骨と骨がぶつかったらどんな音がするのか? 実際にわかる未成年の方は、昔に比べると減っていると思うんですよね。
——そんな中で、桜役を受けた決め手はなんだったのでしょうか?
水上:今回プロデューサーと監督の方々が、非常に情熱を持って僕に対して(作品にかける)想いを伝えてくださったので、この方々とお仕事をしたいと思ったのが一番ですね。見てくださった方の心を打つということを美学にしているのですが、どれだけいいバジェットで仕事ができたとしても、そこに到達できるとは限らなくて……。
では何をもっていい仕事だったかと思えるのかと言うと、僕は「この人たちと仕事ができてよかったな」というところなんです。それこそ良い思いをしても悪い思いをしても、この人たちと一緒に最後まで行こうと思えるかどうかが、この作品のオファーをいただいた時に大事な気がしたんです。
——実際に桜を演じるにあたって、どのようなアプローチで役と対峙したのでしょうか?
水上:今回の桜のみならず自分がやろうとしている芝居、やっている芝居に対して、これでいいのかなという想いは常にあって。今回実年齢よりも10歳も若い役を演じることで、かなり疑いの目を(自身に)向け続けていたのですが、迷いになってもよくないですし、そもそも僕が実際に15歳になることは無理なんですよね。
役者としてどう15歳を表現していくのかと言うと、未熟さというものに対する葛藤や不信感、攻撃性というものを存分に僕自身が感じて、それを発散しようとする。不快感から始まって、温かいものが本当は心地良いはずなのにそれすらも拒否してしまう、そんな未熟さを演じることを大事にしていました。
「温かいものを与えたくなるような作品に」アニメ『ウィンドブレイカー』1・2期放送回一覧(動画リンクつき)
| 話数 | サブタイトル(タップで動画へ) | 見どころ |
|---|---|---|
| 1 | サクラとフウリン | 桜の大立ち回り |
| 2 | 憧れのヒーロー | 意外とお茶目な蘇枋 |
| 3 | 頂に⽴つ男 | 獅子頭連との悶着! |
| 4 | 衝突 | 蘇枋の煽り力の高さ |
| 5 | 優しい男 | 「大人の階段のぼろうか」 |
| 6 | その背中を追って | 柊と佐狐の思い出 |
| 7 | 負けられない戦い | ありし日の兎耳山と十亀 |
| 8 | 思いを継いで | 吹っ切れた十亀 |
| 9 | 梅宮の流儀 | 器を見せた頭突き |
| 10 | 対話 | 梅宮、「対話」を語る |
| 11 | 新たな級友【とも】 | 桐生&柘浦が大暴れ! |
| 12 | 頼られる者 | 桜、名前を呼ぶ |
| 13 | 友のため | 杏西のため動き出す1-1 |
| 14 | 怒り | 梶の一喝 |
| 15 | 決着 | 2年級長の貫禄 |
| 16 | Re:start | 「好きだからだよ」 |
| 17 | 先輩の教え | 動転梶の全力パンチ |
| 18 | 居場所 | 納豆拒否蘇枋 |
| 19 | 密かな想い | 恋愛センサー大活躍 |
| 20 | 宵の街 | 空から降ってきた美女 |
| 21 | 共同戦線 | GRAVEL登場 |
| 22 | Shall We Dance? | オトメ強い椿野 |
| 23 | 救いの手 | 椿野、「対話」を実践 |
| 24 | 嵐のあと | 棪堂が見せた力の片鱗 |
| 25 | 誰が為の強さ | 棪堂よりも強い男 |







