——共通認識として、原作漫画を踏襲しつつも「コスプレにしないこと」という意識があったと伺いました。
水上:演技の面ですと、僕は地毛を1週間に1回ブリーチしていたので、いまだに髪がキシキシしています。そのことを「すごいね」と言われることもあったのですが、僕からするとそれでお金をいただいてご飯を食べているので、当然のアプローチでした。
もちろん、いろいろな事情でできない方がいらっしゃることは承知していますし、納得しているのですが、アクションシーンにおいてカメラワークも風も演技もすべて完璧だけどカツラだけズレてしまったというときに、一番責任を感じられるのはヘアメイクの方なんですよ。
なので(カツラのせいで)もう1回やろうということがなるべくないように、地毛を染めることに対する違和感はまったくありませんでした。リアリティに基づいたコスプレに見えない取り組みのひとつとして、お芝居の面ではそういうことなのかなと思っています。
——お芝居のリアリティに関してもう少し伺わせてください。桜を演じる上で大事にしたリアリティとはどのようなポイントでしょうか?
水上:僕の狙いとしては、「人間ってそんなにすぐ変われない」というリアリティを追い求めていました。だからこそ、桜の中に(変われる)可能性があるということは、どんな人に対しても同じことが言えるということではないでしょうか。
——桜は登場時点では「拳でてっぺんを取りにいく」というシンプルな一面が目立っていましたが、その部分へのアプローチはいかがだったのでしょうか?
水上:そこに関しては、ある程度の距離は取らないといけないなと思いました。僕自身がベタベタとくっついていくようなやり方で本作に臨んでしまうと、ちょっと違うと言いますか。僕の役者としての体を支配しているもう1人の僕が、肯定せずにむしろ否定していきました。
もちろん、この物語の本質である「未熟な者が人との関わりの中で成熟していく」という部分にはすごく共感していますし、そういう風に生きていかなければならないと思っています。
迫力のアクションシーンはもちろん、全編を通じて生身の人間が表現した桜たちの生き様、葛藤、成長も劇場で体感してほしい。
『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』
2025年12月5日(金)公開
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)にいさとる/講談社 (C)2025「WIND BREAKER」製作委員会
衣装:DIESEL(ジャケット、タンクトップ)
取材・撮影・テキスト/kato
アニメ『ウィンドブレイカー』1・2期放送回一覧(動画リンクつき)
| 話数 | サブタイトル(タップで動画へ) | 見どころ |
|---|---|---|
| 1 | サクラとフウリン | 桜の大立ち回り |
| 2 | 憧れのヒーロー | 意外とお茶目な蘇枋 |
| 3 | 頂に⽴つ男 | 獅子頭連との悶着! |
| 4 | 衝突 | 蘇枋の煽り力の高さ |
| 5 | 優しい男 | 「大人の階段のぼろうか」 |
| 6 | その背中を追って | 柊と佐狐の思い出 |
| 7 | 負けられない戦い | ありし日の兎耳山と十亀 |
| 8 | 思いを継いで | 吹っ切れた十亀 |
| 9 | 梅宮の流儀 | 器を見せた頭突き |
| 10 | 対話 | 梅宮、「対話」を語る |
| 11 | 新たな級友【とも】 | 桐生&柘浦が大暴れ! |
| 12 | 頼られる者 | 桜、名前を呼ぶ |
| 13 | 友のため | 杏西のため動き出す1-1 |
| 14 | 怒り | 梶の一喝 |
| 15 | 決着 | 2年級長の貫禄 |
| 16 | Re:start | 「好きだからだよ」 |
| 17 | 先輩の教え | 動転梶の全力パンチ |
| 18 | 居場所 | 納豆拒否蘇枋 |
| 19 | 密かな想い | 恋愛センサー大活躍 |
| 20 | 宵の街 | 空から降ってきた美女 |
| 21 | 共同戦線 | GRAVEL登場 |
| 22 | Shall We Dance? | オトメ強い椿野 |
| 23 | 救いの手 | 椿野、「対話」を実践 |
| 24 | 嵐のあと | 棪堂が見せた力の片鱗 |
| 25 | 誰が為の強さ | 棪堂よりも強い男 |








