
年末年始に向け、餅の需要が高まる中、価格が高騰しています。販売大手は相次いで値上げを発表し、前の年に比べ2割ほど高くなっています。
【画像】うるち米加工した上新粉も価格高騰 一番人気の焼団子に影響
名物大福も値上げ
もち米の最高品種と言われる「ヒメノモチ」を使用し、北海道産の高級小豆「雅」の粒あんを包んだ塩豆大福。この店の看板商品の一つです。
ほどよく塩ゆでされた赤インゲン豆が、粒あんの甘さを引き立てます。
亀屋大和 9代目店主 古島満さん
「(豆が)いっぱい寄っちゃうと、食べた瞬間にしょっぱくなっちゃうから、均一にするために少し手間だけど、手を早く動かしながら」
赤インゲン豆を均等に5粒載せ、餅であんこを包み込みます。
東京・東神田の「亀屋大和」は、およそ300年前に創業した老舗和菓子店。受け継がれる技と厳選した素材が人気の秘密です。
客
「(Q.よくいらっしゃるんですか?)たまに来ます。おいしいですよ。手作り感がいいですよね」
今、悩みの種になっているのがもち米の高騰。大福の皮を作るために欠かせない材料です。
古島さん
「(農家は)もち米を減らしてうるち米を作ったから、もち米が少なくなることは材料屋から聞いている」
もち米の仕入れ価格は去年の1.6倍、おととしの2倍に上昇。塩豆大福はこれまで1個228円で販売していましたが、2月に10円値上げしました。10月にもさらに10円引き上げ、248円になりました。
ここにきて、もち米だけでなくうるち米を加工した上新粉の価格も高騰しています。一番人気の焼団子に影響が出ています。
しょうゆベースの江戸前のタレにくぐらせた団子は、歯切れがよく、もちもちした食感が特徴。石臼と杵(きね)で練り込んだ団子を丁寧に焼き上げています。
これまで1本131円でしたが、こちらも2回の値上げを経て、151円になりました。
古島さん
「困るよね。世の中のお菓子屋は困っているんじゃないか。上がってもらいたくない。どうにかしてくださいって言いたい」
縁起物予約広がらず
都内のスーパーでは、年末年始用ののし餅の予約を先月半ばから開始しましたが…。
スーパーアキダイ 秋葉弘道社長
「年末に受け渡すのが例年は700~800枚だが、このペースでいくと500枚になるかもしれない」
4日時点での予約は36件。異例の少なさになっています。のし餅は去年、2キロ2138円で販売しましたが、今年は2570円。2割を超える値上げです。
秋葉社長
「高いですね。びっくりです。試行錯誤して値段を上げない努力はしているが、でも高いですよ。(利益は)非常に薄いです」
サトウ食品と越後製菓の大手2社も10月1日出荷分から包装餅の値上げを発表しています。今後は…。
秋葉社長
「今年が一番高いんじゃないですか。来年からもう少し下がると思う。生産者が今後続けてもらうためにも、餅(の値段は)少し上がったが、我慢して買ってもらいたい」
(「グッド!モーニング」2025年12月5日放送分より)
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