スキャンダルを巡る芸能事務所と週刊誌の熾烈な争いを描く、ABEMA新オリジナルドラマ『スキャンダルイブ』(全6話)が配信中だ。芸能人、政治家、企業経営者など、地位や名誉のある人のスキャンダルが絶えず発生しては注目を集めている昨今。人の人生を大きく変えるスキャンダルの裏側では、いったいどんなことが起きているのか。同作品は、いまだかつて描かれることのなかったスキャンダルの水面下に鋭く切り込んでいくサスペンスドラマだ。芸能界の闇を暴く、優秀な記者・平田奏(ひらた・かなで)を演じた川口春奈に、作品について、スキャンダルについての思いを語ってもらった。
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刺激的でリアリティーのある内容に驚き「スキャンダルにはたくさんの人が関わっている」
――現在、配信中の『スキャンダルイブ』ですが、面白くて続きが気になって仕方ないです。川口さんは、最初に台本を読んだときいかがでしたか。
かなり攻めている内容だなと思いました。私自身が芸能界にいるからこそ、ここを描くのか、ここまで見せてしまうのかと刺激的でリアリティーのある内容に驚きました。
――スキャンダルの当事者だけでなく、関わるさまざまな人たちの様子が描かれていますが、全体的にリアリティーがありましたか。
かなり現実に近いです。スキャンダルの周りには、当事者だけでなく、事務所、マネージャー、記者、家族など、実際にたくさんの人が関わっています。芸能界にいる立場として、改めて自分だけのことではないなと感じました。ドラマとしては、一つの記事を出すまでの攻防戦や駆け引き、人が巻き込まれていく様子をハラハラする展開で描いているので、きっと楽しんで見てもらえると思います。
――今回、川口さんは芸能界の闇を暴く記者・平田奏の役を演じています。記者側の立場に立ってスキャンダルに対しての印象に変化はありましたか。
変わらないですね。今回、記者の役を演じてみて、書く人にも正義があって、守るべきものがあるということはわかりました。でも現実は、ダレトクなの? と思う記事も溢れているし、真実をしっかり書くべきだと常に思っています。今は、情報が溢れすぎていて、誰もがSNSに投稿できる時代。言葉尻一つでニュアンスが変わってしまうことに対して、常に怖さも感じます。作品を通して、報じるほうも報じられる側も難しい時代だなって改めて再認識しました。
――記者という仕事に対してのイメージは変わりましたか。
それも変わらないですね。私が思うことは真実を伝えてほしいということだけです。表に出すなら、本当に徹底的に調べて、事実、真実だけを書いてほしいです。
――ご自身のことを書かれた記事に対して、これまで間違っていると思った経験があるのでしょうか。
あります。おもしろおかしく書かれてしまう仕事だと思うし、慣れているので、一喜一憂しているわけではないですが、反論したくなったことはあります。数字が間違っていたり、微妙なずれがあったり。憶測で書いているなと感じたり、人の興味を引くために内容を盛ってるなと思うこともあります。
――奏に対してはどうやって寄り添いながら役作りをされましたか。
視聴者の入り口としては、柴咲コウさんが演じる芸能事務所社長の井岡咲(いおか・さき)と対峙する役柄という見せ方をしています。後半には、奏の過去が見えてきて、芸能界の闇を暴きたい動機も明らかになっていきます。彼女にも、守るべきものと暴きたいもの、自分にとっての正義があります。ただスキャンダルを書きたいだけの嫌な奴ではなく、自分の正義を信じるという気持ちは腑に落として演じました。でも、100%共感するのは難しかったです。
――クールに演じられている感じがしますが、どんな狙いがありますか。
咲を煽ってほしい、腹が立つ演技をしてほしいという監督の演出がありました。実際に記者は、感情的にヒステリックになるよりは、淡々と粛々と無感情で仕事をしているというイメージがありました。そのほうが怖いし、ムカつく。人の人生をなんだと思ってるんだという見せ方を意識して演じました。
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