9日の衆院予算委員会で、立憲民主党の本庄知史議員と高市早苗総理が補正予算などについて議論した。
本庄議員は冒頭、青森県東方沖を震源とする地震への高市総理の対応について「大変お疲れさまです」と労ったが、質疑においては厳しく追及した。
コロナ後最大となる133.5兆円となった歳出に言及し「総理が財政の持続可能性に十分配慮したという根拠はどこにあるのでしょうか?」と迫った本庄議員に対し、高市総理は「成長率の範囲内に政府債務残高の伸び率を抑えて、政府債務残高の対GDP比を引き下げていくことで財政の持続可能性を実現してマーケットの信任を得ていく」と回答。
これに納得いかない本庄議員は「どうやって成長率の範囲内に政府債務残高の伸びを抑えるのか具体的に説明してください。私は、財政健全化目標は政府自身がコントロールできる指標を持って目標とすべきだと考えているから申し上げている。成長率はうまくいく時もあればうまくいかない時もあります」と追及。
高市総理は「経済財政運営にあたっては金利や為替物価の動向も含めてさまざまな経済状況を評価分析しながら適時適切な判断を行います」と答えた。
さらに本庄議員は「まぁ、適宜対応ということであればそれは目標でもありませんし、ましてや今の厳しい日本の財政を立て直すことは不可能だと思います。だから例えばプライマリーバランスということで歳入歳出を管理することで、財政を健全化していくということが長年の目標として位置づけられてきたわけで、これは与野党超えて価値のある目標だと位置づけてきた。今回の補正予算でプライマリーバランスあるいは政府債務残高対GDP比が悪化すると思いますが、これでも予定どおり2025年度ないし2026年度に財政健全化目標つまりプライマリーバランス黒字化は達成できるということでよろしいですか? 財政の持続可能性とおっしゃるのだから、そうじゃないと辻褄が合わないと思いますが、いかがでしょうか?」と迫った。
高市総理は「骨太方針である2030年度までを対象の期間とする経済・財政新生計画を定めたうえで、その中で予算編成に関して『ただし、重要な政策の選択肢を狭めることがあってはならない。2025年度から2026年度を通じて可能な限り早期の国・地方合わせたPB黒字化を目指す。必要に応じ目標年度の再確認を行う』とされています。ですから閣議決定にあったとおりでございます」と回答。
本庄議員は「私が聞いたのはそうではなくて」として「25年度ないし26年度に達成するという目標は今回補正予算かなり巨額なもので国債発行もしますけれども、予定どおり達成できるのですか? と伺っています」と改めて質問した。
高市総理は「内閣府が本年8月に公表した中長期試算ですけれども、今回の経済対策等を反映する前の数値ではありますが、国・地方のPBや債務残高の対GDP比は、2025年度はそれぞれマイナス0.5%、201.0%、2026年度はそれぞれプラス0.5%、197.1%と推計されている。我が国の財政状況はこれまでの経済財政運営の成果もあり、改善傾向にありますが債務残高対GDP比というのは依然として高い水準にございます。今後の課題として単年度ごとのPB黒字化目標の達成状況を見ていく方針は数年単位でバランスを確認する方向に見直すことも検討しております。けれども、そういった観点から必要に応じてPBの目標年度についても再確認を行うということでございます」と答えた。
これに本庄議員は「お忙しいと思いますが、もう少し噛み合った答弁をお願いしたいんですね。私は目標が達成できるのかどうかと見通しをうかがっています。そしてさっき総理がおっしゃったのはこの補正予算の国債発行11.7兆円を出す前の数字ですよね。今回の補正予算が我が国の財政にどういった影響を及ぼすのかということを政府にはちゃんとこの委員会に出していただきたいと思います。委員長、お取り計らいをお願いします」と述べ、枝野幸男委員長は「理事会で協議いたします」と応じた。
(ABEMA NEWS)

