
およそ5万人が投票した温泉総選挙の中から、日帰りもできる関東の“穴場温泉”を紹介します。ナンバーワンに輝いた温泉施設にはどのような理由があるのか。さらに追跡すると、驚きの歴史やこだわりがありました。
【画像】神社で販売されている“陶器でできた玉子” 中には何が?
6つの湯船がある「鹿の湯」
まずは“レジャー街ぶら部門”で関東ナンバーワンに輝いた栃木県の「那須温泉郷」。
1000年以上前に開湯した「鹿の湯」は日帰り温泉施設です。
宮城から(60代)
「建物の雰囲気が良い。天窓から朝日が差し込んで、この時間の入浴は気持ち良い」
泉質は「単純酸性硫黄温泉」。神経痛の緩和や疲労回復などが期待できます。しかも、6つの湯船はぬるめの41度から高温の48度まで。
千葉から(60代)
「1個1個違う温度というのが良い」
46℃の湯船につかる
栃木県民(50代)
「内臓を芯から温める。冬になるともっと最高」
実はここ、独特な入浴法があるといいます。
まずは入浴前に“かぶり湯”をします。大人ならおよそ200回かけます。“のぼせ”などを防止し、温泉の効能を高めます。
3分間入浴したら、いったん体を冷まします。これを繰り返すと、温泉の効能が高まるそうです。
栃木県民(60代)
「3分間の砂時計をみなさん持ってきて、“ひと区切り”にして入る」
「46℃は気持ち良い。でも、48℃のほうがより気持ち良い」
「那須温泉郷」は、江戸時代に発表された温泉の効能の番付で、大関の「草津温泉」に次ぐ“関脇”に選ばれていました。
東京から(70代)
「湯冷めしない。東京に帰っても温かい」
大阪から(60代)
「良かった~ビックリした。本当に良かった。こんなに良かったら草津温泉に行かんでええな」
那須温泉郷の観光にオススメ「那須温泉神社」
温泉総選挙“レジャー街ぶら部門”の関東ナンバーワン「那須温泉郷」。周辺には絶景が望める名所など観光スポットが充実しています。
オススメは「那須温泉神社」。これからの時期に手に取りたいユニークなものがあります。
陶器でできた玉子の中におみくじが入った「温泉たまごみくじ」。気になる運勢は…。
栃木から(50代)
「中吉。イエイ」
「吉。普通が一番。旅行…良い出会いあり。インタビューされちゃって。初めてだよ、こんなこと、人生で」
こちらこそ、いい出会いに恵まれました。
郷土料理「すいとん」をイタリアンテイストに
那須温泉郷周辺には“爆売れグルメ”もあります。
多い日は1600個も売れるという「ローストチキン」。国産の鶏肉を塩だけで味付けして焼き上げました。
ミートショップ鶏春
店主 大澤秀一さん
「鶏を何回もコロコロ転がし、焼き目を付けていくので、野菜となじんでキャベツの甘みがつく」
那須温泉郷周辺には、珍しいご当地グルメもあります。
寒い冬にぴったりの「トマトすいとん」です。実は「すいとん」は那須の郷土料理なんです。
こちらの店「バジルの葉」では、小麦粉に隠し味として山イモと昆布だしを合わせています。コンソメスープと自家製のピリ辛トマトソースを混ぜたスープで、イタリアンテイストの「すいとん」に。那須でおよそ25年、愛され続ける名物メニューです。
栃木県民(50代)
「トマトと合う。おいしい。モチモチしてちょっとピリ辛でおいしい」
バジルの葉
店主 齋藤則人さん
「人気がある。『作り方を教えてくれ』という人も結構いる。別に企業秘密でもないから教えるんだけど」
埼玉の温泉宿 うれしい“おもてなし”ポイントは?
続いては、温泉総選挙“おもてなし部門”、関東ナンバーワンの“穴場”へ。
埼玉県秩父市にある「和銅鉱泉 ゆの宿 和どう」。知る人ぞ知る温泉宿です。
日帰りでも楽しめる温泉。泉質は“単純硫黄冷鉱泉”。神経痛やリウマチなどに効果が期待できます。
埼玉県民(40代)
「温度もちょうど良い、最高」
埼玉県民(70代)
「いや~良いお湯。ずっと入っていた」
神奈川から(20代)
「お湯加減もちょうど良くて、肌がスベスベになった気がする」
“おもてなし部門”の関東ナンバーワンになった秘密を追跡しました。
チェックインはフロントではなくロビーで行います。しかも、コーヒーや紅茶など、無料のウェルカムドリンクをサービス。荷物は担当のルーム係が部屋まで運んでくれます。
こちらの宿は、一泊2食付きで1万8000円からです。
大学の同級生(60代)
「僕ひとつビックリしたのが、部屋に入ると、靴を脱ぐ所にハンドグリップ(手すり)があった。すごく心遣いがあると思った」
夕食は旬の食材をぜいたくに使った懐石料理です。個室でゆったりといただくことができます。しかも…。
埼玉県民(80代)
「食事を部屋に持ってきてくれる。“部屋食”。私たちみたいに足の悪い人は食事場所に行くのも大仕事」
足腰が悪いお客さんなどには、何ともうれしいおもてなしです。
チェックアウトでは。
埼玉県民(40代)
「お菓子の引換券をチェックアウトの時にもらえる。人数分もらえる」
宿の近くにある和菓子店に持っていけば、名物和菓子をもらえます。
こうした様々なサービスで、“おもてなし部門”の関東ナンバーワンに輝きました。
埼玉県民(80代)
「私、実家がないのね。『ここへ来るのが実家だ』と(宿のスタッフに)言った。そうしたら『お帰りなさい』と言ってくれる。大好きよ」
