
自宅のトイレやエレベーターなどで、閉じ込められた時にどう行動すればいいのか。さまざまな場面での「脱出のヒント」を専門家に聞きました。
【画像】いつ遭遇してもおかしくない閉じ込め…圧倒的に多い場所は?
どう脱出?閉じ込められたら?
70代
「閉じ込められたら、ちょっと無理。年だから。すぐに逃げられるか…」
80代
「家の中で災害が起きたら、地下があるから入ろうと思うが、地下で閉じ込められたらパニックになる。今回のサウナ(火災を聞いて)すごく心配」
いつ遭遇してもおかしくない閉じ込め。4つの場面での脱出方法をプロに聞きます。
まずは、自宅内で発生しやすい、この場所。
防災スペシャリスト 野村功次郎さん
「まさかここでというのが、盲点=トイレ」
消防士として22年、閉じ込め事故の救助経験もある野村さんに話を聞きます。
「圧倒的に多いのがドアノブの故障。劣化によって開閉が困難、閉じ込められる。トイレ、風呂場が圧倒的に多い」
日本ロック工業会によると、レバーハンドルなどは使用回数や状態に応じて劣化し、長期間の使用をすることで、閉じ込めなどが発生するリスクがあるそうです。
「(Q.出られる?…閉じ込められた時)可能です」
鍵は開いているのに、レバーハンドルを上げ下げしても扉が開かない状況で脱出する方法がありました。
「(Q.何を使うの?)トイレットペーパーの芯」
まずは筒状になった芯を破り、一枚の紙にします。
「トイレットペーパーの芯を一枚の紙のようにしました。そして、隙間に目がけて紙を入れていく。ここまで入ったら…。今、開きましたね」
一体、中で何が起きているのか。ペーパーを差し込むことで、不具合で出たままになってしまった「ラッチ」と呼ばれる金具を引っ込めることができるのです。
薄さと強度を兼ねたカードがあれば、より簡単に開けることも可能です。
「ドアはガラスではなくプラスチック。なので強くたたくと割れやすい」
緊急時、浴室では椅子の角などを使うことで扉を破壊できる可能性が。さらに、窓から助けを求めることも一つだといいます。
続いても、日常に欠かせないエレベーターです。
テレビ朝日宇都宮支局
津野田英幸カメラマン
「エレベーターが停止しています」
撮影したのはテレビ朝日宇都宮支局のカメラマン。今年8月、支局近くで発生した事故の影響で停電が起き、およそ30分、エレベーターに閉じ込められました。
津野田カメラマン
「不安が一番大きい。(脱出が)1時間後なのか2時間後なのか、もしかしたらもっと長いのかと考えると。体力温存するために地面に座って助けを待った」
エレベーターの設計を行う「京都エレベータ」に、もしもの時の「脱出方法」を聞くと…。
京都エレベータ 田中陽一代表
「エレベーターは基本的に、かごの中にとどまる。それが一番安全。災害時、非常時も含めてエレベーターが停止をして、安全に過ごせるように開発をされている」
無理に脱出を試みるのは、むしろ危険なのです。
「復旧しない場合には、非常ボタンで外部と連絡を取り状況をしっかりと伝える」
外部に連絡をとる手段として、スマートフォンなどを持っておくと、さらに安心だということです。
トンネル火災から避難した人
「車を離れたほうがいいのか、どこまで荷物を持って行けばいいのか迷ったが、結局、財布と携帯だけ持って。トンネル怖いなと」
続いては身近に迫る、車内の閉じ込め。海底トンネルにも脱出方法がありました。
海底トンネル脱出方法は?
災害などで、水没した車から脱出する方法もあります。
野村さん
「よく言われるのは、脱出用のハンマー」
水没した状態などで車に閉じ込められた場合、何を使えば窓が割れるか検証した映像。ヘッドレストやビニール傘では割れず、脱出用のハンマーで割ることができました。
JAFは緊急時に備え、車内に常備することをすすめています。
最後は、火災などの緊急時にトンネルから脱出する方法です。
トンネル火災から避難した人
「警報が鳴ってすぐの時は、どういう状況か分からなかった。煙が少しずつ広がっている感はあったので、ちょっと不安になった」
18日の火災では多くの人が非常口を利用して、トンネルの外に避難しました。
トンネル火災から避難した人
「高速・トンネルで立ち往生になった時、車や避難後どうすればいいかを知っていたら、もう少し心に余裕を持って行動できたかなと」
ちなみに、海底を通る「アクアライン」にも非常口は設置されています。
1997年、アクアラインの非常口内部に迫った貴重な映像。実はこの内部、滑り台になっているのです。
滑り降りた先には、地下通路が…。実はアクアラインの非常口は、車道の真下にある別のトンネルにつながっているのです。
NEXCO東日本は、緊急時について「安全を確保した上で通報し、指示に従って避難してほしい」ということです。
