『Navy Blue』は、KUVIZMが6年前より作品のファンであったPEAVISに声をかけ、制作がスタートした一曲だ。
冬の東京を背景に、現代のリアリティが鮮明に映し出されている。
真冬の渋谷、眠れない夜、都会の孤独。誰もが抱える喪失感と焦燥を繊細にすくい上げながら、そこに静かな希望の温度を差し込んだリリック。
息苦しい都会の冬の夜、一体どれだけの人が心から笑えているだろうか。
「真冬 渋谷の人混み」「放課後居残り」「カゴの中の鳥」といった言葉が表す閉塞感や、現代社会の表面的な繋がりに対するアンチテーゼとなっており、“Fake loveよりpainが愛おしい”というフレーズにあるように、自分が自分であるために必要な「痛み」に寄り添う姿勢がそこには描かれている。
誰もが幸せを求めているはずなのに、どこか悲しげな顔で愛を探す人々の姿は、そのまま我々の写し鏡と言えるだろう。
しかし、本作は単なるネガティブな嘆きでは終わらない。社会のレールや競争を気にせず、転げ落ちても「行くしかないやん」と立ち上がるマイペースな姿勢は、リスナーの背中を静かに、確かに押してくれる力がある。
フックのコーラスには『RAPSTAR 2025』で大きな爪痕を残したESTEYが参加。ボーカルエディットはPEAVISやShin Sakiuraらの楽曲を手掛ける佐藤慎太郎、マスタリングはENA、アートワークはKazuhiro Taniが担当した。
PEAVISを中心としたクリエイターの輪が繋がり、本作は完成を迎えた。
