
年末の箱根でガソリンを入れられなくなる人が続出しています。有名観光地で何が起きているのでしょうか。
年末に観光客や地元“困った”
ガソリンスタンドに来た観光客
「もう全然なくて。困ってた、だいぶ。やっと見つけた」
神奈川県箱根の人気観光スポット・大涌谷。雨にもかかわらず駐車場にはたくさんの車が。しかし、観光客には心配事が。
名古屋から
「ガソリンスタンドがなかったら困る」
「スタンドが少なくなった」
東京から
「心配です。途中でなくなったら困る」
箱根ではガソリンスタンドが相次いで閉店していました。箱根には元々、5店舗のガソリンスタンドがありましたが、8月と先月に2店舗が閉店。来年3月には、さらにもう1店舗閉店することが決まっています。来年には箱根のガソリンスタンドはたったの2店舗のみとなります。
給油に来た観光客
「ここなくなったら困る。探しても探してもなくて、やっと見つけた。ライフラインというか、ないと困るものだと思う」
来年3月に閉店する店舗の管理会社に話を聞くと…。
箱根プレザントサービス株式会社
生活事業部 大木賢治部長
「スタッフの人手不足。要員不足が深刻化して、店舗の継続が難しい状況」
さらには、施設の老朽化も。
「地下タンクが経年40年で修理ないし交換が必要になるが、数千万円単位の設備投資になってしまう。やむやむ苦渋の決断をした」
給油求め“県またぎ” どこまで行く?
わざわざ山を下りないといけないというガソリンスタンド。番組の取材クルーが向かうと、静岡県に入ってしまいました。ガソリンスタンドで給油するために県をまたぐ事態に。
地元住民にも困惑が。毎年、冬には大雪となる箱根では、地元の人の多くが灯油ストーブで暖を取るといいますが…。
箱根で燃料配達をする人
「油の配達もやっているので、(ガソリンスタンドへ行く)30分、40分でもう1軒、2軒できちゃう。燃料を使って燃料を入れに行かなければいけない。死活問題」
影響は温泉宿にも。雄大な箱根の山々を見渡しながら疲れを癒やす露天風呂を目当てに、年末年始も人気の宿。宿泊客の送迎も行っているといいますが…。
箱根仙石原プリンスホテル
マーケティング戦略 奥村学さん
「正直、困っている。今まで近くで安心して給油できていたが、ガソリンの残量を常日頃気にしなくてはいけなくなった。不安を抱えながらの仕事になってしまう」
これまでは数分の距離にあったガソリンスタンド。しかし、これからは県をまたいで給油しなければいけないといいます。
「峠を越えて静岡県まで給油に行っている。ホテルから片道約16km。往復で約1時間の行程」
経産省によると、箱根だけではなく全国のガソリンスタンドの数は1年間で400以上も減っています。
「業務の合間に(給油に)行かなければ。負担が増えた。片道5キロで済んでいたものが3倍の距離を走ることになる。そういった面では経費増」
