BD戦士を元Krush王者が精密な“MMA仕様の右カウンター”で粉砕。鮮やかな2ラウンド衝撃KOを識者も称賛しきりだった。
2025年12月31日、さいたまスーパーアリーナで「RIZIN 師走の超強者祭り」が開催され、篠塚辰樹と冨澤大智が激突。2年前のキックルールでの対戦を経て、舞台をMMAに移した注目のリベンジマッチは、篠塚が右のカウンター一撃で冨澤を沈める幕切れとなった。
両者は2023年大晦日のオープンフィンガー・キックルール以来、2年ぶりの再戦。前回は打撃の地力に勝る元立ち技で王者経験もある篠塚に対し、ブレイキングダウン出身の冨澤が判定負けを喫したが、今度はキャリア的にもハンデがないMMAルールでのリベンジ戦となった。
1ラウンド、冨澤は打撃戦で果敢に前に出るが、オーソドックスに構える篠塚は、得意の精度の高いジャブと右ローで迎撃。冨澤のタックルも篠塚がことごとく切り、敗戦デビューとなったMMAへの適応も示す。
試合は2ラウンド、打撃戦の様相を強めていく。プレッシャーをかける冨澤に対し、篠塚は冷静に距離を取りながらコントロールし、3分過ぎ、踏み込んできた冨澤へドンピシャのタイミングでカウンターの右ストレートを叩き込む。実況が「鮮やかな右!」と叫ぶ中、マットに頭から倒れ込んだ冨澤に篠塚が苛烈なパウンドを追撃したところでレフェリーが試合をストップ。篠塚がMMA転向2戦目にして、待望のRIZIN初勝利を挙げた。
得意の打撃でしっかり仕留めた篠塚に対し、ファンも「打撃うますぎ」「右の合わせがうますぎる」と技術を称賛。ダウン直後のレフェリーの一瞬のストップに「え、止めるの?」と驚く反応もあった一方で、「完全に飛んでるから止めたのは良い判断」と冷静にジャッジを支持する声も聞こえた。
KOシーンのスローリプレイは、冨澤の左右のワンツーを完全に見切った篠塚が、余裕で右ストレートを振り抜く狙いすました一撃。マットに強打した相手に篠塚が“ドヤって”から追撃と、ふてぶてしさは健在だが、解説の高坂剛はダウンシーンについて「(篠塚は)左斜め後ろから自分の体重移動からボディポジションをずらして、アウトサイドを踏める右ストレートの強打を当てれる、後ろ足の荷重もかけれる。凄いテクニックですね」と総合ルールでも威力を発揮した打撃の技術を大絶賛。篠塚はこの勝利で、次戦のターゲットとして前回敗れたヒロヤへの再戦を要求した。
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