
世界最大級のテクノロジー見本市『CES』が、アメリカ・ラスベガスで開幕しました。
【画像】荷物運ぶロボット 人間と“共働”『フィジカルAI』時代へ 米中が開発競争

ひときわ注目されていたのは、ブラックジャックのディーラーをしてくれたり、家事を代行してくれたりと、AIの頭脳を持ちながら、現実世界で動く“フィジカルAI”です。
アメリカの半導体大手、NVIDIAも。

NVIDIA フアンCEO
「フィジカルAI市場が主流となる時代が到来したと言えるでしょう」

遠い未来の話だと思っていたロボットと人間の共存。
ただ、2050年には、市場規模5兆ドル、10億台を超える人型ロボットが、存在するという予測もあります。つまり、世界人口の10人に1人はロボットということ。
その未来を担うのが、AIの頭脳をもって、現実世界を動き回るフィジカルAIです。

中国は、すでに国家戦略として開発を支援。AIやロボット工学などの分野で新興企業を支援するため、20兆円規模の基金を設立しました。高い製造能力を誇り、低コストを強みに世界市場の獲得を狙っています。
アメリカでも、実用化に向けた動きは加速しています。

2015年、大学のラボからうまれたアジリティ・ロボティクス。二足歩行ロボットを実用へと押し上げたパイオニア的企業がいま手掛けるのが、フィジカルAI『ディジット』です
見た目は、従来の人型ロボットとの大きく違いません。固定された範囲でのみ作業する従来のロボットとは違い、センサーを使って、自身の位置、周りの状況を正確に把握。荷物をどうやって運ぶか、仮想空間の中でシミュレーションを重ねます。

アジリティ・ロボティクス トーレ上級ディレクター
「カメラなど30個以上のセンサーを搭載。前方センサーで距離や、周囲との位置関係を割り出し、首のあたりの距離センサーや、頭部の各センサーで多方向を検知し、それらの情報を仮想空間で統合し、周囲の環境を再現します」

転倒や障害物など、現実世界で起こる不測の事態にも対応しながら、人間と同じ空間で“共存”できるのが、フィジカルAIの大きな特徴です。
すでに物流会社で実践導入されていて、アマゾンでも、倉庫で試験的な運用が始まっています。工場では、年間1万台を生産できる体制が整っています。

アジリティ・ロボティクス ハースト共同創業者
「(Q.蒸気機関や電球の発明に並ぶものか)肉体労働の形が大きく変わるので、電気やインターネットを超えるかも。産業革命の歴史を凝縮するみたいに、速いペースで変わっています。私の理念は『人間の時間は貴重』です。人を雇うには、とてもお金が必要で、生活の質にも関係します。あらゆる単純作業や重労働は、ロボットや自動化で処理すべきです。ロボットがやるべき単純作業以外に、人間にできることは山ほどあります」
