
ベネズエラを軍事攻撃したトランプ政権ですが、次なる標的として中東・イランへの攻撃も示唆しています。
イラン国内では物価高騰を理由とした抗議デモが激化し、最高指導者・ハメネイ師への批判にまで発展しています。
デモ内容変化 体制批判の声も
まずは、イラン国内で急拡大する抗議デモについてです。そもそも、なぜデモが起こったのでしょうか。
「BBC(5日)」によりますと、先月28日、イランの首都・テヘランで物価高騰や通貨の暴落を受けて抗議デモが発生しました。発生当初は、商人らが店舗の閉鎖などを行う平和的なものでした。
しかし、大学生らが参加したことで、デモは急速に拡大しました。
イラン人権団体のニュースサイト「HRANA」によりますと、6日時点でイランの全31州のうち27州、92都市に抗議デモが広がっているということです。
そして、デモの内容も変化してきているといいます。
これまでは悪化する経済への抗議デモでしたが、「ロイター通信(5日)」によりますと、参加者らは最高指導者・ハメネイ師を指して「独裁者に死を」と叫ぶなど、体制批判の声もあがっているということです。
そんな中、 「AFP通信(1日)」によりますと、イスラエルの対外情報機関「モサド」はイラン公用語のペルシャ語のSNSで「共に街頭に出よう。時が来た。現地でもあなたたちと共にいる」などと、デモを煽るメッセージを投稿。工作員がイラン国内にいることを示唆しているのでしょうか。
イラン再攻撃の可能性も
イラン国内でデモが急拡大するのと同じ頃、先月29日、アメリカ・フロリダ州の「マー・ア・ラゴ」でアメリカのトランプ大統領とイスラエルのネタニヤフ首相が会談しました。
この時、トランプ大統領は「イランが再び核開発計画を立て直そうとしていると聞いている。これが事実ならたたき潰さなければならない。徹底的に打撃する」と発言。アメリカがイランを再攻撃する可能性も示唆したといいます。
また、イラン国内の抗議デモに関してもトランプ大統領はSNSで「もし、イランが平和的なデモ参加者を殺害したら、アメリカは救助に乗り出す。我々は準備万端で、いつでも行動できる」と投稿。イランに警告しました。
そして、イギリスの安全保障を専門に扱うウェブニュースサイト「UK Defence Journal(4日)」によりますと、ベネズエラのマドゥロ大統領拘束後、アメリカ軍の航空機がイギリス空軍基地に多数往来しているのが確認されたそうです。これは去年6月に、アメリカがイランの核施設を攻撃する前に見られた動きと同様のものだといいます。
ハメネイ師は「弱っている」との指摘も
そうした中、驚きの計画が報じられました。
それは、イランの最高指導者・ハメネイ師の国外脱出計画です。
イギリスの「タイムズ(4日)」は、ハメネイ師が国外脱出計画「プランB」なるものを用意していると報じています。
軍や治安部隊が抗議デモを鎮圧できないと判断した場合、ハメネイ師と家族や側近20人とともに、イランの首都・テヘランからロシアのモスクワに脱出するという計画だといいます。
情報筋の話として、安全を確保するため、ハメネイ師が保有する海外の不動産や現金など資金を準備しておくことも含まれているといいます。
また、西側情報機関が作成したハメネイ師の心理分析も紹介されていて、ハメネイ師は「精神的にも肉体的にも弱っている」と指摘されているといいます。
「ソマリランド」国家承認の理由
そんな中、イスラエルが中東の覇権を目指すために接近している場所があります。それが世界最大の未承認国家「ソマリランド」です。
「ソマリランド」はアフリカ東部に位置する場所です。1960年にイギリス領だった北部地域とイタリア領だった南部の地域が統一され、ソマリアという国になりました。しかし1991年、アデン湾に面した地域が「ソマリランド」と名乗って、一方的にソマリアからの独立を宣言しました。
先月26日に、イスラエルが「ソマリランド」を国家承認すると発表。イスラエル政府によると、今回の宣言は2020年に、トランプ大統領主導で署名された「アブラハム合意の精神に基づくもの」だとしています。
この「アブラハム合意」とは、2020年に成立したイスラエルとUAEなどアラブ諸国との国交正常化を目的に締結された枠組みです。
中東情勢に詳しい、慶應義塾大学教授の田中浩一郎さんによりますと、「イスラエルにとって、アラブ諸国との和平を進め、イランを封じ込める『イラン包囲網』を構築する狙いもある」ということです。
さらに「BBC(先月27日)」によりますと、「ソマリランド大統領」のアブドゥラヒ氏も今後「アブラハム合意」に参加すると述べ、地域と世界の平和に向けた一歩だと表現しています。
親イラン勢力へのけん制が狙い?
トランプ大統領主導の「アブラハム合意」拡大を進めるイスラエルですが、他にも狙いがあるようです。
「ソマリランド」の北にはアデン湾や紅海があり、このエリアは世界有数の海上交通の要衝で船も多く通り、重要な場所とされています。
そして、アデン湾の対岸にあるイエメンには、イスラエルを繰り返し攻撃してきた親イラン武装組織「フーシ派」の拠点があります。
「AFP通信(2日)」によりますと、「ソマリランド」の国家承認と引き換えにアデン湾にイスラエル軍基地の設置と、パレスチナ住民を移住させる候補地にするなどの条件をイスラエルが提示したと、ソマリアの大統領が発言したということです。
それに対して1日、「ソマリランド」の「外務省」はSNSに「ソマリア大統領の虚偽の主張を断固否定する」と反論しています。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2026年1月8日放送分より)
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