
五角形の結界にポニーの神馬、そして安倍晴明ゆかりの夜参り……。東京の住宅街に、古い伝説と不思議なご利益が息づく神社があります。午年の始まりに、その知られざる魅力をたどりました。
【画像】ドローンで上空から撮影 五方山 熊野神社「正五角形」の境内
馬ゆかりの神社で出会うポニーの神馬
住田アナ
「今日は東京葛飾区にやってきました。今年は午年ということで、ここに馬に関係する神社があるということなんです。ということで、早速行ってみます」
住田紗里アナウンサーが調査に向かったのは、葛飾区立石にある、五方山 熊野神社です。
住田アナ
「ここから社が見えますね。この幕のようなものに描いてある模様は鳥ですかね。まだ馬が出てこないです」
馬とどんな関わりがあるのでしょうか。神社の中に入ると……
住田アナ
「五重塔もあるんですね。あっ、いました。あれはポニーですね。行ってみましょう!うわ、可愛い!目が優しいです。神田明神に取材に行った時に、あそこにもいたんです。ここにもいるんですね」
千島さん
「こんにちは。よろしくお願い致します」
住田アナ
「ポニー、神田明神にもいますけど、ここにも…」
千島さん
「そうなんですよ。当社の方が先にポニーの神馬を導入させていただいております」
住田アナ
「先なんですか?」
千島さん
「そうなんです。私、実は神田明神にもおりまして、ここで実績を作って、満を持して神田明神でもポニーの神馬を導入という経緯に至っております」
宮司の千島俊司さん、実は元JRAの職員で馬術の選手、実家も競馬関係だったという経歴の持ち主です。
住田アナ
「どういった経緯で宮司さんになられたんですか?」
千島さん
「妻との出会いからなんですけれども、馬術を通して馬のご縁で、今こうやって神社の方に携わらせていただいております」
住田アナ
「馬は神様だけじゃなくて、素敵なご縁も運んできてくれたんですね」
千島さん
「馬のおかげで今やらせていただいております」
馬は神が乗る神馬として神社に奉納されていましたが、飼育が難しいこともあって、現在、馬がいる神社はごくわずかです。そんな古来の習わしを残すため、千島さん自身の知識を生かし、ここ五方山熊野神社ではポニーを3頭飼育しています。そんな神馬にあいさつをした後、改めてお参りします。
住田アナ
「安倍晴明ってたくさん書いておると思うんですけれども」
千島さん
「陰陽師の安倍晴明さんが関わった神社なんです」
安倍晴明は平安時代、朝廷の中で呪術や占いなどを行う陰陽師として活躍しました。そんな安倍晴明とこちらの熊野神社には、どんな関係があるのでしょうか。
千島さん
「紀州の熊野や那智大社でお籠もりをしたり、修行をしていたりしていて」
安倍晴明と共に3年間修行に励んだのが花山天皇です。その天皇から那智に住む天狗の封じ込めを依頼され成功させた、など晴明には数々の伝説が残っています。そして、西暦1000年頃、清浄なる聖地を求める旅に出ると、偶然にもこの地を訪れたとされています。
千島さん
「安倍晴明さんが熊野様を勧請して、この場所にご鎮めいただいたんです」
住田アナ
「安倍晴明はなんでここを選んだんでしょうか」
千島さん
「僕もさっぱりその辺はわかりませんが、熊野川と中川は非常に似ているんですよね。両方ともうねっております。両方ともあちらは中洲にあって、こちらは中川に囲まれた場所にあるんですけども、似たような風景を晴明さんは選んだんじゃないかな」
なぜ晴明が紀州・熊野の神をこの地にわけてもらい、祭ったのかはわかっていませんが、全国では約3000社、東京都内では70社程度ある熊野神社の中で、晴明が勧請した神社は「多分当社だけじゃないか」と千島さんさんは話します。
千島さん
「全国では約3000社、東京都内では70社程度。晴明さんが勧請した神社というのは、多分当社だけじゃないかと思います」
安倍晴明が結界を張った「正五角形」の境内
さらに、陰陽師ならではのものが、この地にはあります。
千島さん
「陰陽五行説にのっとった正五角形の境内地、結界を張られているんですけれども」
住田アナ
「結界が張られているんですね。ここ」
千島さん
「川に囲まれていますので、特に葛飾は低いんですよね。それで、水害にあったそうなんですけども、それを守ったのが結界であると」
住田アナ
「五角形の結界というのは見えないものなんですか?」
千島さん
「えぇ、ただ、上から見ていただくと、境内地、敷地自体が正五角形をしています」
ということで、今回、ドローンを用意し、上空から境内を見てみます。
住田アナ
「おっ、出てきました!本当に五角形です!上から見ると、よくわかります」
千島さん
「わかりますよね」
住田アナ
「すごい!」
千島さん
「浮き出てくるんですよね。1000年手つかずの地所っていうのはなかなかないじゃないですか。そういう意味でも清浄だと思いますよね。荒らされていない場所」
さらに、一辺の長さが均一になっているのだそうです。
住田アナ
「きれいに測ったんでしょうね。」
千島さん
「それが不思議ですよね。しかも三十間五角は約55mなんですよ。55mの正五角形なんで、全てが5づくしなんです」
住田アナ
「すごいです!」
千島さん
「55の五角形、ですので、ご縁とか合格とか、オール5ですよ」
住田アナ
「小学校の頃だったら、嬉しい響きです」
晴明は、この場所の地形に熊野の地を重ね、結界を張り、地元の人々を守っていたのかもしれません。
住田アナ
「本当に五角形でびっくりしました」
千島さん
「そうでしょう?」
住田アナ
「って、思い返すと、入ってきた時には五角形の中に鳥がたくさん描いてあるマークがあったんですけど、あれは何ですか?」
千島さん
「八咫烏なんですよ、3本足の八咫烏」
住田アナ
「あの(サッカー)日本代表のマークにもなっている」
千島さん
「八咫烏さんは熊野神社の熊野様の神のお使いになります」
住田アナ
「熊野古道とかでも」
千島さん
「そうです。熊野神社に行くと八咫烏なんですよ」
五方山熊野神社の主祭神は伊邪那岐大神で、ご神体に関しては――。
千島さん
「石の剣なんですよね。70cmぐらいの剣。ここの住所は立石と言いますけれども、立石の地名の由来の一説にもなっているぐらいな剣ですね」
関東地方では極めて珍しいとされた石の剣。「熊野神社の神代の石剣」として全国的に知られ、江戸時代には連日、多くの参詣人が訪れたと言われています。
住田アナ
「江戸時代にどういった方が来たという記録にあったりしますか?」
千島さん
「徳川3代将軍(家光)、また8代将軍(吉宗)が、この辺、鷹狩の場所だったらしくて、その際には神社からお渡ししたものが金烏守。その金烏というのがですね、金烏(きんからす)って書くんですね。晴明さんの秘伝書があります。金烏玉兎集、そこから取っているものだと思いますね。金烏というのは太陽に住むカラス、八咫烏のことですね。玉兎というのはお月様に住むウサギさん、陰陽を表しているわけですよね」
住田アナ
「それは普段は一般的にお渡しするものではない?」
千島さん
「なかったんだと思いますね。特別な霊験あらたかなもの。それを当社でも30年ほど前ですか、復活させて今、金烏守として頒布しております」
そんな徳川家に献上したといわれるお守りですが……
千島さん
「全部、手作りで作っている」
住田アナ
「じゃあ、神社の皆さんが作られている」
千島さん
「そうです」
(「グッド!モーニング」2026年1月5日放送分より)
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