
親らから空き家を相続した後、地方で売りたくても売れないというケースが相次いでいますが、どんな空き家でも買い取ることに特化したプロに密着しました。
【画像】不動産業者が疎遠 大量の遺品が放置された空き家も買い取り
どんな空き家でも買い取り
埼玉県内を走る1台の車。側面には「どんな空き家でもスピード買取!」の文字が。やってきたのは、築41年の戸建て住宅です。
アルバリンク大宮支店 根來真生さん(27)
「ここは床が抜けている物件。完全に(床が)抜けちゃっていますよね。やはり築が古くなってくると、シロアリとか経年劣化で。欲しい人っていないので(不動産業者に)門前払いされる」
このような床下に動物がすみつくこともあるそうです。しかし、彼らは“見る所”が違います。
「床は確かに抜けています。ただ、建物の構造はまだしっかり残っているし、天井もきれい。床を直したら『賃貸として使える』『月いくらで貸せる』と逆算して、物件に価値を見いだしている」
2019年から、空き家の買い取りを専門に行っている、こちらの会社。全国に20ほどの支店があります。
かつて日本は、祖父母と同居する住宅が中心で、親が亡くなっても、子が住み続けるケースが多くありました。しかし今は核家族化で、別の場所で暮らす世帯が増加。相続しても空き家になる傾向があります。
アルバリンク大宮支店 鹿秀成支店長(29)
「(依頼が)増える一方で、月100件を下回ることはない。空き家がどんどん増える社会情勢で、放置する人が多いので」
大量遺品…ワケあり空き家も
このところ“不動産価格の上昇”が話題になっていますが、それは都市部に限った話。地方では、売りたくても「売れない空き家」が多いのです。
この日、依頼者と向かったのは、自動車の上を乗り越えないと中に入れないほど、大量の遺品が放置された空き家です。
依頼者(60代)
「遺品というか残置物が法定相続人の物になるので、私が勝手に処分できない」
およそ30年前に、依頼者が家を建てましたが、10年住んだ後、20年間は知人に家を貸していました。しかし、その知人が急に亡くなり、遺品をどうしたらいいかも分からず、空き家になりました。
「実はもう4~5軒、不動産業者に当たっているんです。遺品に関して話をすると、『いや、それはちょっと…』『面倒だな』っていうことで、みんな手を引かれちゃう」
空き家の中には、建物がしっかりしていても、こうした複雑な事情で手放すのが難しい場合もあります。それでも、なんとか買い取りにつなげるのが彼らの仕事です。
根來さん
「やはり空き家を手放す時に障害になってくるのは、荷物や相続、権利関係。そういうのも含めて『私たちが全部やります』『任せてください』でやっている」
強みは「空き家を買いたい人」とのマッチングにあります。数日後、この物件にも購入希望者が現れました。
購入希望者 会社員(30代)
「表層だけのリフォームでいけるんだったら、物件の躯体(くたい)としてはありかなと感じました。近くにアパートが何軒かあったので、同じ価格帯では貸しに出せると思っているんですよ」
過去にも空き家を買ったことがあるという30代の男性。仮に150万円で家を購入して、50万円かけて直したとしても、月4万円で賃貸に出せば、3年から4年で元が取れる計算です。
投資家と結ぶ不動産のプロ
この会社を率いる、河田憲二社長(38)。実は、空き家は、「売りたい」という人と同じぐらい、「買いたい」と考えている人も多く、そこをつなぐ仕組みがなかったことが創業の理由でした。
河田社長
「不動産会社の仲介手数料は3%という取り決めがあるので、100万円とか10万円とか1万円でしか流通しない不動産は、手数料3%で商売にならない」
そこで、空き家を少しでも高く売れるよう、住む目的で家を探している人ではなく、再生後の価値が分かる「投資家」とつなぐことを考えました。
「個人投資家に接点を持てるというのが強みの一つ。『全然価値ない』と思える物件でも、個人投資家や大家から見たら、『これなら数字が合う』と思えれば、それは価値が出せる」
全国の空き家は、すでに900万戸を超えています。最近は「有料で引き取る」とうたう無免許業者が急増。料金を支払っても、そのまま放置される“詐欺まがい”の手法に国土交通省も注意を呼びかけています。
一つでも空き家を減らすため、きょうも買い取りのプロたちは現場を回ります。
根來さん
「皆さん、何かしらの事情でお困りですので、『何とかしなきゃ』という気持ちで自分たちが助けに行く。実際、無事に物件を手放すことができた時の感謝をいただいた時は、すごくやりがいを感じている」
(「グッド!モーニング」2026年1月12日放送分より)
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