
トランプ政権が金利政策を巡って対立してきたFRBのジェローム・パウエル議長(72)を刑事捜査の対象にしたことが分かりました。パウエル議長は動画で声明を発表し、「トランプ政権による政治的圧力だ」と厳しい言葉で批判しています。
動画で何度も政権批判
「この前例のない措置は、政権による脅威と継続的な圧力のより広い文脈の中で捉えるべきです」
パウエル議長は、異例のビデオメッセージで、捜査を批判しトランプ政権に激しく反発しました。
FRB本部の建物改修工事について、議会でのパウエル氏の証言に虚偽があったとして、アメリカ司法省から刑事訴追の可能性をほのめかす大陪審への召喚状が送られてきたといいます。
普段は金融政策や経済情勢についてのみ発言しているパウエル氏ですが、およそ2分間に及ぶビデオメッセージでは、何度も政権批判を口にしました。
「刑事訴追の脅迫は、FRBが大統領の好みに従うのではなく、何が国民の利益になるかという最善の評価に基づいて政策金利を決めてきた結果です」
トランプ大統領はパウエル氏に対し、再三大幅な利下げを要求してきましたが、パウエル氏はこれに抵抗し続けてきました。
「これは、連邦準備制度が証拠と経済状況に基づいて金利設定を継続できるかどうか、あるいは金融政策が政治的圧力や威圧によって左右されていくのか、そういう問題です」
トランプ氏は関与を否定
ロイター通信によりますと、司法省報道官は今後の捜査内容について、こう話しました。
「司法長官は連邦検事に対し、パウエル氏による税金の乱用を優先して捜査するよう指示している」
トランプ氏は司法省の措置について、「何も知らない」と話し、関与を否定しています。
12日、ホワイトハウスのレビット報道官も記者団に対し、こう話しました。
「大統領はパウエル氏が職務能力がないと明言しており、多くの経済学者も同様です。金利は引き下げるべきであり、ずっと前に引き下げられるべきだったと明言しています」
「(Q.大統領はFRBの独立性を信じていますか?)信じていますし、何度もそう述べています」
「(Q.大統領は司法省職員にパウエル氏の捜査開始を指示しましたか?)いいえ」
経済界からは、パウエル氏を擁護する動きが出ています。FRBのイエレン前議長をはじめとする歴代FRBの議長ら10人は、声明を発表しました。
「報じられているパウエルFRB議長の対する刑事捜査は、検察当局による攻撃を用いて独立性を損なう前例のない試みだ。経済的成功の基盤である法の支配を最大の強みとするアメリカでは、このようなやり方は通用しない」(ロイター通信から)
ビデオメッセージの最後で、パウエル氏はこれまで政権に忖度(そんたく)することなく、誠実に仕事をこなしてきたと強調しました。
「私は共和党・民主党を問わず、四つの政権下でFRBに勤務してきました。公職には時に脅威に屈せず立ち向かうことが求められます。私は上院が承認した職務を、誠実さとアメリカ国民への奉仕の精神をもって遂行し続けます」
(「グッド!モーニング」2026年1月13日放送分より)
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