連立再編や新党誕生で構図激変 “混沌”の選挙区を取材

23日に衆議院が解散し、2月8日の投開票に向けて、事実上の選挙戦がスタートしました。高市総理が目標に掲げるのは、「与党での過半数確保」。連立再編や新党誕生で選挙の構図が大きく変わる中、有権者の一票は、どこに向かうのでしょうか。(1月24日OA「サタデーステーション」)

解散後初の討論会 党首らが論戦

24日、午後6時から開催された党首討論会。解散後初めて、党首が一同に顔を合わせ、議論が交わされました。

自民党・高市早苗総裁
「まず何があっても食べ物には困らない食料安全保障、これはもう余力があればどんどん輸出もしていく。成長投資というものも掲げています。日本に強みがあるすばらしい技術を製品、サービス、インフラとしてしっかりと展開して稼ぎ出してまいります。豊かな経済、安心な社会をつくってまいります」

討論のテーマは「成長戦略」と「安保政策」です。

日本維新の会・藤田文武共同代表
「東京に一極集中だけでなく、副首都構想をはじめとする多極分散型の経済をつくって、さまざまな地域がさまざまな発展の形を謳歌できる。そういうことを後押しできるようにしたいと思います。そして何より手取りを増やしていく、家計を助けていく、この対策もしっかりと進めてまいります」

国民民主党・玉木雄一郎代表
「もっと手取りが増えるようにしていきたいと思います。手取りが増えることによって働き控えをなくして労働供給の制約を取っていく、成長を邪魔しているブレーキを取っていこうと。世界から求められる、世界から必要とされる日本をつくってまいります」

参政党・神谷宗幣代表
「日本の国を日本人が中心に運営できる体制を構築していく、そういったことが大事だと思います。そのために、いま進んでいる外国人労働者の受け入れをしっかりと絞り、少子化対策を子ども一人につき10万円くらいの給付金を出して、とにかく出生率をもうすこし回復させていくということが非常に大事だという風に思っています」

当面の政策として、物価高対策に力を入れるべきだと訴える党も。

中道改革連合・野田佳彦共同代表
「当面の物価高対策として食料品の消費税のゼロ税率の実現をしたいと思いますが、所得の低い人たち、税金を払えないような皆さんについては、これは現金給付という形で生活支援をする。中所得者、低所得者に手厚い体制を作っていきたい」

日本共産党・田村智子委員長
「大株主、大企業への富の一極集中に切り込むということが何よりも求められていると思います。貯め込まれている内部留保を賃上げのために使っていく、活用していく。こういう国民の暮らし第一の政治に切り替えていきたいです」

れいわ新選組・大石晃子共同代表
「経済成長ということですけれども、国会での議論が停滞して政策実現、減税が成せない最大の原因が財源論だと思うんです。1つは国債発行です。これは、いま生活の危機なのですから、躊躇せずに発行する。ほかのこと、減税以外の分野では普通に発行してます。だから発行するべきです」

日本の未来について、各党が主張しました。

日本保守党・百田尚樹代表
「移民政策は間違えると経済という前に日本そのものが壊れてしまいます。移民政策は経済政策にも重要な問題ですから取り組んでいきたいと思います」

社民党・福島瑞穂党首
「消費税はゼロ。あなたの社会保険料を半額にします。あなたが、みんなが笑顔で暮らせる国へ。そして平和でなければならない」

チームみらい・安野貴博党首
「人口がどんどん減っていくなかで全産業人手不足の状況になる。そんな中で重要だと思っているのは未来に対してしっかり全力で投資をしていくということ」

元立憲の原口氏 新党の結成表明

“駆け込み”で新党立ち上げの会見を開いたのは、立憲民主党を離党した原口一博氏です。

減税日本・ゆうこく連合 原口一博共同代表
「この度、『減税日本・ゆうこく連合』という政党を、政党要件5人を満たすことによって立ち上げました」

24日午後、地域政党「減税日本」代表の河村たかし氏とともに「減税日本・ゆうこく連合」を結成したと発表しました。新党は原口氏と河村氏が共同代表を務めます。そのほか、3人の前衆院議員が合流するといいます。

構図が一変 与党同士の対決に

解散後、初めての週末。サタデーステーションが注目したのは、構図が激変した選挙区です。前回4人で争った大阪13区。今回、自民と維新の与党対決に加え、新党・中道と参政党が新たに候補者を擁立しました。

自民党の宗清皇一氏は23日、高市総理から公認証を受け取りました。

自民党 大阪13区 宗清皇一氏(23日 東京・千代田区)
「13区勝って来いよとメッセージを頂きました。必ず勝ってこようと思ってます」

公明党の支援が見込めない状況ですが、“高市人気”を肌で感じているといいます。

自民党 大阪13区 宗清皇一氏
「もう一度自民党に期待してみようという雰囲気には変わったんじゃないかと思いますね、高市総理になられて。物価高の問題、外交安保、それに国土強靭化、そういうことをしっかり訴えたい」

一方で野党を中心に、いわゆる“裏金問題”の実態解明が進んでいないとの指摘もあります。今回の自民党の公認候補には、政治資金パーティー収入の不記載があった43人が含まれていて、宗清氏もその中の1人です。

自民党 大阪13区 宗清皇一氏
「丁寧に説明してきました。政治資金とはそもそも何かとか、どんなものに使われているのかとか、そういう説明を丁寧に合わせてしてきたんですよ」

この件で前回、自民党は宗清氏の比例代表への重複立候補を認めず、結果、落選しましたが、今回は比例重複も認められました。

一方、与党対決となる日本維新の会の岩谷良平氏は。

日本維新の会 大阪13区 岩谷良平氏
「裏金問題は決して終わっていないと思っています。身内である与党のパートナーから言われたら、自民党さんも聞かざるを得ないと思う。だから今まで以上に厳しく言っていきたい」

連立を組む自民と維新は、今回、「与党で過半数」を目指す一方で、原則、選挙協力はしない方針です。前回は、岩谷氏が自民党の宗清氏に競り勝っていますが。

日本維新の会 大阪13区 岩谷良平氏
「(今回は)無党派層の皆さんの投票先が多様化して分散することがあるので、そこはかなり厳しい戦いになるんだろうなと。自民党内のいわゆる既得権勢力・守旧派と高市総理が戦うための力になるのが、僕らの存在だと思っているので、同じ与党であっても、やはり維新の会を応援していただきたい」

新規参戦組も 候補乱立の混戦に

24日、大阪のホテルの一室にいたのは、新党・中道改革連合の本多平直氏です。

中道改革連合 大阪13区 本多平直氏
「事務所がないのでここで作業しています」
「(Qスタッフは?)急にお願いしてついてくれている人が2人ぐらいはいますが」

3日前に大阪13区への擁立が急きょ決定。事務所ができるまでは、ホテルで作業するといいます。

中道改革連合 大阪13区 本多平直氏
「東大阪って中小企業の町って言われていて、今の物価高とか本当に困っている方多いと思うんですよね。なんで今選挙なの?っていう、これ後回しにしてるのおかしいじゃないの?それを最優先にやりたい、一番訴えたい」

本多氏は、もともと立憲民主党に所属し、北海道選出の衆院議員でした。しかし、4年半前に離党し、議員辞職。これについては、党内の問題だったと主張しています。その後、復党が認められ、前回は比例東京ブロックで立候補しましたが、落選しています。

中道改革連合 大阪13区 本多平直氏
「自民党も維新も与党なので、僕たちはその流れを変える、そのための勢力なので、その思いでやっていこうかなと」

参政党は24日、横浜市内で多くの新人候補者を集めた演説会を開催。大阪13区に擁立された立岡昭是氏は、新たな選挙区に送り込まれた、多くの新人候補の中の1人です。

参政党 大阪13区 立岡昭是氏
「日本の治安が良いのは、何百年かけてルールや制度を作り、外国からの脅威を守ってきてくれたからです」

参政党は前回の倍近い、およそ180人の公認候補者を揃え、自民党と保守票を奪い合う可能性もあります。

参政党 大阪13区 立岡昭是氏
「東大阪市で現在、飲食店を経営している、ただの一般国民なんですけども、やはり今の政治は誰のために政治をしているんだという怒りを私自身も感じますし、他党がどうよりも国民の皆さん一人一人に伝えていくことを重視して やっていこうと思います」

前回、比例で復活当選した、れいわ新選組の八幡愛氏は。

れいわ新選組 大阪13区 八幡愛氏
「私たちの積極財政というのは、この国に住む全ての人々の命と暮らしを守るためにお金を使えよということなので。今の政府がやろうとしている医療費削って防衛費を上げていくんだということとは真逆なので、その辺を愚直に訴えていくしかない」

日本共産党の宝井晃美氏は。

日本共産党 大阪13区 宝井晃美氏
「いろんなところが選挙の時だけはいかにも改革派みたいな感じで結構言うじゃないですか。でも結局は全然変わってないじゃないですか。やっぱり一番ぶれてないのが日本共産党。それを前面に出して、国民に訴えてわかってもらうしかないのかな」

各党の特徴的な公約は?

高島彩キャスター
「テレビ朝日の山本志門政治部長に伺います。各党の各公約や政策を見ていきたいと思います」

板倉朋希アナウンサー
「まずは与党・自民党です。物価高対策として、『飲食料品を2年間に限り、消費税の対象としないことの実現に向け検討を加速する』と明記。責任ある積極財政などを掲げています。衆議院議員の定数削減については『1割を目標に次期国会で法案の成立を目指す』としています」

高島彩キャスター
「山本さんの注目は?」

テレビ朝日 山本志門政治部長
「やはり責任ある積極財政ですね。今、国際社会では日本財政は大丈夫なのかという懸念の声が非常に強まっているんです。税金の使い道を締めるところ、しっかり使うところ、どうシェイプアップしていくのか注目しています」

板倉朋希アナウンサー
「続いて連立を組む日本維新の会です。飲食料品の消費税ゼロについては自民党と同じですが、『社会保険料を年間で6万円引き下げる』などの政策を掲げています」

高島彩キャスター
「連立を組む自民党との違いはどこに出てくるのでしょうか?」

テレビ朝日 山本志門政治部長
「現役世代の社会保険料引き下げで差別化していますね。ただ与党ですから、全体的には自民と同じ方向を向いていますので、維新としては政策を進めるアクセル役になる、としているんです」

板倉朋希アナウンサー
「続いて野党をみていきます。中道改革連合です。『今年の秋からの恒久的な食料品の消費税ゼロ』を掲げ、財源は政府系ファンドの運用益などを充てる考えです。他にも、給付付き税額控除や家賃補助制度の創設などを掲げています」

高島彩キャスター
「公明と立憲が連立を組んだことで、それぞれの政策に変化が出てると思いますが、そのあたりはいかがでしょうか?」

テレビ朝日 山本志門政治部長
「公明の主張に現実路線で立憲が政策でも寄せています。ただ、この前まで与党だった公明がいる中、どこまで自民党との違いを打ち出せるのか注目しています」

板倉朋希アナウンサー
「国民民主党です。実質賃金が持続的にプラスになるまで消費税を一律5%に引き下げる政策や、負担に応じて給付を行う社会保険料還付制度の創設などを掲げています」

高島彩キャスター
「中道との明確な違いというのはどのあたりでしょうか?」

テレビ朝日 山本志門政治部長
「手取りを増やすという点に力点を置いていますね。社会保険料の還付を打ち出しています。また年収の壁やガソリン減税など、政府与党と積み上げた実績をこれから強調していきたい考えです」

板倉朋希アナウンサー
「れいわ新選組です。消費税の廃止に加え、物価高対策として1人当たり10万円の現金一律給付を打ち出し、社会保険料の引き下げなどを掲げています」
「日本共産党です。消費税の廃止を目指し、直ちに5%に減税する政策や、最低賃金を時給1700円引き上げて家賃減税制度の創設、農業と農村の再生や食料の安定供給などを掲げています」
「参政党です。消費税やインボイス制度の廃止や外国人政策の規制強化。子ども1人につき10万円の教育給付金を支給するなどの政策を打ち出しています」

高島彩キャスター
「前回の参院選で躍進した参政党ですけれども今回の注目ポイントは?」

テレビ朝日 山本志門政治部長
「外国人政策がポイントですよね。やはり国民の中には外国人を優遇しているという不公平感が強いんですよ。そうした空気感を追い風に躍進してきた党なので、今回その政策を具体化した形です」

板倉朋希アナウンサー
「日本保守党は、酒類を含む食料品の消費税率を恒久的にゼロ%にする政策や、再エネ賦課金の廃止などを掲げています」
「社民党は所得税と法人税の累進課税を強化することで、消費税を廃止するなどを打ち出しています」
「チームみらいは、消費税を下げることよりも社会保険料を下げることを優先して、子どもの数に合わせて、親の税金を安くする子育て減税の導入などを掲げています」
「24日に新たに新党立ち上げを発表した減税日本・ゆうこく連合は、具体的な公約はまだ発表されていませんが、消費税は廃止するなどの理念を掲げています」

選挙の行方は?無党派層の動向カギに

高島彩キャスター
「今回、与野党共に消費税減税に向けた政策というのを掲げていますが、財源の確保や実現性という点についてはどうなんでしょうか?」

テレビ朝日 山本志門政治部長
「年5兆円とも言われる財源をどうするかについては、各党の主張もバラバラなんですよね。年数を区切るのか、ずっと続けるのかも分かれています。例えば中道では、国が保有している現金などを運用して、その利益をあてることを考えています。公明は政権にいましたから、もっと早くお金を捻出できたのではないかという疑問も残りますよね。一方の自民党は検討を加速すると言っていますから、合意しないまま与野党協議をずっと続けて、結論を先送りすることになるのではないかという見方も、実は自民党内からも出ているんです。その中で先ほど高市総理が財源について、補助金と租税特別措置を見直せば、2年間は大丈夫だと明言していまして、実現に向けた高市総理の本気度が問われてくることになると思います」

高島彩キャスター
「柳澤さん、今回争点が分かりにくいなというのもありますが、柳澤さんはどこに注目していますか?」

ジャーナリスト柳澤秀夫
「外交問題、とりわけ悪化している日中関係があまり争点になっているようには思えませんが、その点はいかがですか?」

テレビ朝日 山本志門政治部長
「そうですね、争点にはなかなかなっていませんよね。関係悪化の流れが止まらない中国とどう折り合っていくのか、非常に大きなテーマだと思います。今後、中国はレアアースの規制など経済面での対応をエスカレートしてくる可能性があるんです。そうなると日本経済に大きく影響してくると。高市さんの頭の中にもここは強く意識されていると思います。高市さんは保守層が支持基盤ですから、官邸内では中国との妥協は政権のリスクと捉えられているんです。そのリスクを踏まえた上で、選挙後にどう中国と向き合っていくのか、今回、解散を早めた理由のひとつではないかと、政府内ではみている人もいるんです。今年11月には中国でAPECがありますから、ここをひとつの政治的なタイミングと考えていると思います」

ジャーナリスト柳澤秀夫
「野党側は外交問題をどういう切り込み方をしていきたいと考えているんですか?」

テレビ朝日 山本志門政治部長
「各党、スタンスの違いはあるかと思いますが、やはり台湾海峡を巡る安全保障の問題ですから。なかなか野党側も切り込みにくいテーマだとは思います。今回、立憲民主党も、安保法制を公明党に寄せる形で認めましたよね。こうした中で高市総理の発言はアメリカがあいまい戦略で一歩引いている中で、日本が一歩踏み出した形ですので、問題を収束させる方向に向かうべきか、そうでないのか、この辺りの論戦も注目していきたいと思います」

ジャーナリスト柳澤秀夫
「去年の参院選でもそうだったんですけど、今回の選挙でも無党派層の動きがカギを握ると言われているんですけど、この辺はどうでしょうか?」

テレビ朝日 山本志門政治部長
「選挙戦の勝敗のカギを握ってくると思いますね。去年の参院選で参政党や国民民主に流れた保守の無党派層の票が、自民に戻るのかどうか、ここは注目しています。また今回、自民と中道という大きな塊の対決構図が出てきました。新興・少数政党には、埋没してしまうんじゃないかという危機感もあるんです。自民、中道でもない第三極の立ち位置として、支持されるのかがポイントになってくると思います」

高島彩キャスター
「今回は読むのが難しい選挙だと感じるんですが、その辺りはいかがですか?」

テレビ朝日 山本志門政治部長
「今回、読むのは難しいですね。大きな風がどこに吹いているのか、よくわからないので、なかなか難しいと思います」

外部リンク