
今季“最長”の寒波の影響で、各地で積雪による被害が相次いでいます。27日はいったん寒さが落ち着きますが、その影響で今度は落雪・雪崩の危険性が出てきています。
【画像】十日町市の職員「こういう所が、雪崩になる可能性がある所」
北海道、都市部の交通網マヒ
一面、雪に覆われた札幌の市街地。1月としては21年ぶりに積雪が1メートルを超え、2日間に降った雪の量65センチは統計史上最大です。
北海道の中心都市を支える交通網に深刻な打撃が。札幌圏のすべての列車が始発から昼過ぎまで運休になるなど、少なくとも14万人に影響が出ました。
路面が凍結している影響か、道路には車列ができています。
さらに、市内の国道を映したライブカメラには、スタックによる混乱拡大の様子が捉えられていました。
激しく舞い散る雪で視界が遮られる中、行く手を阻まれたかのように1台の黒い車が雪に足を取られ立ち往生。
雪がなければ片側4車線の国道。止まった車の前後には交差点もあります。
雪で2車線の国道が、止まった車で1車線に。後続車は黒い車を避けていきますが、道路の先では車列ができ、先に進むことができなくなります。
さらに、止まっているとは知らずに黒い車の後ろについてしまい、身動きが取れなくなる車も。一時、多数の車が滞留し交通障害が起きました。
バスがスタックも…
平年の2倍以上(平年比208%)の積雪131センチを観測した青森市の中心部でも、車のスタックが発生。新青森駅のロータリーにあるタクシー乗り場で、バスが1台立ち往生しました。
鉄の板をタイヤと雪の間にかませようとしますが、再び空転。別のバスで牽引(けんいん)しようと試みるも、なかなか抜け出すことができません。
ドライバー
「マズいな、これは」
よりによって、車両の救出にあたっていたバスまでもがスタックしてしまいました。
ドライバー
「前!」
救出にあたっていたバスはかろうじて自力でスタックから脱出。残りの1台は動けないままです。
そこへ牽引ロープが用意されました。
重機でゆっくりと引っ張っていくと、バスが動き始めました。除雪の重機によってバスが救出されました。
雪で「空き家倒壊」の恐れ
青森県黒石市では26日、積雪が110センチを超える中、市の職員らによるパトロールが行われていました。
その目的が…。
黒石市 総務部防災管理室
村上仁哉主事
「大雪を踏まえて、空き家の苦情とか倒壊の話がすごい上がってきましたので」
1630棟の空き家がある黒石市。今回の大雪の影響で、市民から「空き家が倒壊するのでは」などといった相談が相次いでいるといいます。
市民が不安に思う理由、それは…。
去年1月に起きた、空き家の2階部分が崩れる映像です。原因は屋根に積もった大量の雪。黒石市では、こうした被害が去年度だけで24件発生。今年度から対策に乗り出しているといいます。
職員が向かったのは、10年以上空き家だという建物。雪下ろしが行われていないため、屋根には1メートル近い雪が積もっていました。
その影響でしょうか、屋根の一部が曲がってしまっています。別の角度からは内部が崩れかけているのが分かります。
他にも木材が腐食し穴が開いた場所もあります。
村上主事
「(雪が)落ちてくるとなれば道路側。ここは元々道路の幅も狭い場所なので、通行できなくなる可能性もありますし、通行人がいたら巻き込まれる可能性もあるので、非常に危険な場所ですね」
そのため市は、空き家からの落雪に気をつけるよう立て看板や張り紙などを設置し、住民らに注意を呼びかけています。
近隣住民
「屋根が潰れているとか、潰れそうな所とかいっぱいあるよ」
「(Q.これだけ積もってしまうと?)すごいよ、雪の重みすごいよ」
「(Q.怖い部分も?)んだ」
雪が降り積もるにつれ、不安が募る住民たち。
市は26日、3棟の空き家を見回りパトロールを終えました。
村上主事
「危険性がある空き家を事前に回ることで、対処法をもっと早く検討できたり、誰かに被害が及ぶ前の予防策になるのかなと思っていたので、引き続き空き家のパトロールを続けていきたいなと思っています」
雪崩被害を未然に防ぐため…
積雪が平年を大幅に上回り(平年比178%)、246センチを観測した新潟県十日町市。
十日町市の職員も長引く寒波の影響で雪害対応に追われます。
十日町市 建設課
高橋剛さん
「なかなかちょっと見るのも大変だね」
寒波が一時緩むと危険が高まる雪崩。被害を未然に防ぐため、これまでに雪崩が起きた場所を入念に見回ります。
高橋さん
「スノーボールが落ちてないかとか、クラック(亀裂)入ってないかとか。雪崩の予兆というふうに言われていますので」
斜面に亀裂や雪の塊が転がっていないかなど、目視やスマートフォンで撮影しながら確認します。
別の現場では…。
高橋さん
「こういう所が、雪崩になる可能性がある所なんですね」
本来は左側にはガードレール、右側にはのり面が続く道路ですが、26日はそのほとんどが雪に埋もれていました。
高橋さん
「地肌が出ているので、気温が緩んだり太陽が差すと、周りの雪がとけてくるので、その下のところが壁が剥がれたり、雪庇(せっぴ)がそのまま落ちたりするような状況が生まれますので」
今後、雪質の変化や積雪の状況で危険度が高まった場合には、除雪などを業者に依頼するといいます。
高齢化で除雪困難
今季最強・最長寒波の影響は関西地方でも。
滋賀県の北部に位置する長浜市余呉町。西日本で唯一、特別豪雪地帯に指定されている地区です。
神社では、目の前に雪が積もっていて、中に入ることができなくなっています。
本来であればこの先には、境内につながる階段があるはずですが、今は雪に埋もれてしまっていました。
県の観測によると、26日の時点で最深積雪が171センチに達した余呉町中河内地区には、18世帯が暮らしています。
自治会長 森崎森利さん(73)
「今年はね…(雪が)あんまり降らない。降らないと言われていたのに。急に降ったからびっくりした」
この地区に住んで30年以上になる森崎さん。一人で生活しているという自宅を見せてもらいました。
「これ入り口」
そこには巨大な雪の壁が。屋根から落ちた雪が原因で、玄関が使えなくなってしまいました。
出入りできるのは、除雪機が置いてある裏手の小屋だけ。雪の影響は他にもありました。
「うちのこれ軽トラやけど、こんなもんね」
わずか2日で、軽トラックがすっぽりと埋まってしまいました。
現在は、2匹の猫と暮らす森崎さん。自治会長として地域を支え、雪が降るたびに路地の除雪も自ら行ってきました。
そんな森崎さんには悩みがあります。
「とにかく(若い)人が住んでくれないと、この辺りはもう先細りで。なんとか、この中河内を最後までちゃんとしてやりたいなって気持ちのほうが強いね。これが一番やな。このためにおるみたいになってきた」
現在、地区に19人いる住民のうち16人が65歳以上。年々進む高齢化の中で「住み慣れたこの場所をどう守っていくか」、不安を感じているといいます。
「雪が重たい」
「(Q.玄関前が見えてきそうですね)見えてきたやろ」
翌日、午前中から玄関に積もった雪を除雪する森崎さん。
「(Q.玄関を使うのは、何日ぶりですか?)3日ぶりくらい。2日でこんなんになってね。(雪国の生活は)みんな協力せんと無理」
「(Q.1人で全部やるのは?)とてもとても。体壊してしまう」
(2026年1月27日放送分より)
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