各地大雪でも東京の水がめピンチ…なぜ
この記事の写真をみる(10枚)

 29日も日本海側では大雪となっていますが、一方で深刻になっているのがダムの渇水です。「東京の水がめ」とも呼ばれるダムでは、水位が平成以降で最低になっています。なぜなのでしょうか。

【画像】“東京の水がめ”ピンチ 今後、雨は降るのか?

「東京の水がめ」ピンチ

 都心から車でおよそ2時間、東京の奥多摩町です。

東京都 水道局 小河内貯水池管理事務所
田崎拓也事務所長

「こちらが東京都水道局が所有、管理している小河内ダム。水道の専門ダムとしては日本最大になる」

東京の水がめ「小河内ダム」
拡大する

 東京の水がめと呼ばれる「小河内ダム」です。通称は「奥多摩湖」。標高530メートルにあります。

 東京都のホームページによりますと、東京ドームおよそ150杯分の水量を貯めることができ、水道専用の貯水池としては、日本最大級の規模です。

 「小河内ダム」に貯めた水は、多摩川を経由して下流の浄水場で水道水にかわり、都民に届けられます。

 ところが今、都民の水源がピンチです。

田崎事務所長
「あそこに見える島のような陸地は、通常は水没していて水位が下がって出現してきた。20メートルくらい低い水位になっている。まれな状態、初めて見た」

通常よりも20メートル以上低くなっている
拡大する

 これは通常のダムの写真です。水位はおよそ95メートル。左側の壁に注目すると、29日は水位が大きく下がっているのが分かります。水位は72メートルを下回り、通常よりも20メートル以上、低くなっています。

 通常時と29日の映像を比べてみると、奥にある、がけ地の横にこれまでは見えていなかった陸地が出現しています。

船着き場のような島が見えている
拡大する

 普段は、階段の中ほどまで水があるということですが、29日は水位が低下していて、船着き場のような島が見えていました。

 29日、ダムの貯水率は45.6%となり、平成に入って以降、一番低い水位を記録しています。

 東京都は、今週都民に対して水道水の「節水」を呼び掛けています。

なぜ水位が低下?

田崎事務所長
「去年の秋くらいから、徐々に下がってきている。とにかく雨が… 令和7(2025)年は非常に雨が少なくて降雨量が非常に少なかったのが原因」

 小河内ダムの周辺では、降水量が平年に比べ極端に少なくなっています。

 これまでの4カ月間では平年の3割ほど。28日までの20日間では降水量がゼロ。全く降っていません。

今村涼子気象予報士
「特に関東から西日本では、ここ最近の降水量が30年に1度レベルの少なさ」

 太平洋側や内陸部では今月、広い範囲で雨が少なく、名古屋や京都などでも降水量がゼロになっています。

過去30日の降水量
拡大する

 そのため、各地で「ダムの渇水」が相次いでいます。

 愛知県では、水源である「宇連ダム」や「大島ダム」、調整池を合わせた最新の貯水率は19.6%にまで下がっています(29日午前0時時点)。愛知県は「渇水対策本部」を設置。節水対策を強化しています。

「渇水対策に全力で取り組むよう」
拡大する

愛知県企業庁渇水対策本部
権田裕徳企業庁長

「水源の状況は、依然として大変厳しい状況であることから、渇水対策に全力で取り組むようお願い致します」

節水のため公園で噴水を停止
拡大する

 節水のため、豊川市では市内9カ所の公園で噴水が止められました。

節水呼び掛け

 東京の水道水の主な“水がめ”である荒川水系のダムも、渇水の危機に直面しています。

水資源機構 滝沢ダム管理所
村上一徳所長

「1月では過去最低」
「普段の水位よりも20メートルくらい下がった状態」

1月の貯水率が過去15年で最低
拡大する

 埼玉県秩父市にある「滝沢ダム」。平年、1月の貯水率は60%ほどです。

 ところが29日は32.3%とおよそ半分まで下がり、1月としては過去15年で最低の水位だといいます。

村上所長
「雨を期待してダムの水位回復があれば問題ないが、(今後)雨がなければ心配になってくる」

 雨不足が深刻化している背景について今村気象予報士は、寒波の影響も指摘します。

強い冬型の気圧配置になると…
拡大する

「特に年末以降、相次ぐ寒波の影響で、強い冬型の気圧配置になることが多かったため、強い冬型になると日本海側では大雪になる一方で、太平洋側には低気圧や前線が近づきにくい。このため、晴れが続いて、まとまった雨が降りづらい状況になっています」

 今後、雨は降るのでしょうか?

2~3月の降水量予想は少なめ
拡大する

「関東から西日本では2月~3月の降水量も平年より少なめの予想が出ている。そうなると、さらに深刻な状況になることが考えられる。例えば、東北や関東北部のダムだと春に雪解け水の恩恵があるが、関東南部から西日本のダムはそもそも雪が少ないので、雪解け水はほとんど期待できない」

 東京都水道局は、「こまめに蛇口を閉める」など、節水の協力を呼び掛けています。

(2026年1月29日放送分より)

テレ朝天気

この記事の画像一覧
外部リンク
この記事の写真をみる(10枚)