
平成に生まれたヒット商品が、令和の今も進化を続けています。「たまごっち」と「チェキ」、懐かしい名前に秘められた最新の姿を、体験型の展示や新商品とともに追いました。
女子高生をターゲットに
誕生から30年…。その人気と進化は、今も変わっていません。2月2日まで六本木で開催されている「大たまごっち展」では、自分が「たまごっち」の世界に入り込んだような没入体験をしつつ、30年の歴史に触れることができます。
ここに、1枚のとても貴重な資料があります。初代「たまごっち」の企画書です。「何かオリジナルの商品を」ということで、企画合宿が行われた中で、男児向け玩具の企画として出てきた企画書の一つがこれだったそうです。
バンダイ「たまごっち」企画開発担当
青柳知里さん
「『たまご』と腕時計の『ウォッチ』を掛け合わせて『たまごっち』という名前の由来にもなっています」
「『何かオリジナルの商品を…』と企画合宿が行われ男児玩具の企画として出てきた」
なぜ、企画書の通り「時計型」にならなかったのでしょうか?
青柳さん
「1990年代に『トレンドセッター』と呼ばれていたのが女子高生だったので、途中から『女子高生をターゲットにしよう』という形でマーケティングの方針が変わりまして…」
「スクールバッグに付けられるようボールチェーン型に」
「たまごっち」といえば、「育成」です。アクション系テレビゲームなどが多い中、「いつでも世話をする」という一見面倒な部分が大ヒットにつながりました。
2004年には、赤外線通信で携帯電話と連動できる機種ができたり、2008年にはカラー液晶も搭載されたりしました。他にも、原点回帰ともいえる腕時計型のタッチ液晶タイプや、Wi-Fi搭載型など、「育てる楽しみ」はそのままに、進化を続けてきました。
そして、近年では「平成レトロブーム」も追い風となり、最新機種が発売された去年、全世界累計出荷台数が1億個を突破したのです。「たまご型」「四角い画面」「3つのボタン」という「認識しやすいデザイン」を変えないことも重要でした。
青柳さん
「『世話のやけるよろこびを世界中の人々に』。この中に生きているたまごっちを育てるというところの根本の遊びは、ずっと変わらないでほしいなと思っていまして、『たまごっち』の世話の焼ける喜びとかヘンテコで愛らしい姿といったところを、どんどん発信していけたらいいなと思っています」
細胞レベルの「お世話」
最新機種の「Tamagotchi Paradise(たまごっちパラダイス)」は、企画から完成まで約2年かかったといいます。新たな仕掛けが、本体右上の「ズームダイヤル」です。
青柳さん
「『“たまごっち”を研究する』というコンセプト。企画メンバーの頭に顕微鏡とか望遠鏡のようなモチーフはあって、そこから着想を得てグルッと回すズームダイヤルに行きつきました。『謎の生物たまごっち』に興味を持って研究するみたいな気持ちで…」
なんと、今は細胞単位でお世話ができるのです。さらに、現代社会に合わせて、こんな進化もあります。
青柳さん
「今回の『Tamagotchi Paradise(たまごっちパラダイス)』では『持続可能な社会』も。うんちをバイオ燃料にしてロケットの燃料として『たまごっち』の旅行に使えたらおもしろいのではないかとアイデアが出てきて。今回タンクにためて宇宙旅行に行けるという遊びが入っています。『たまごっち』を通して、日本や世界で起こっている現状に興味を持ってほしいと…」
ブーム再来 1億台突破
1998年、カードサイズのフイルムを使うインスタントカメラとして発売された「instax(インスタックス)通称『チェキ』」。実は「チェキ」は現在、世界100カ国以上で展開しています。
富士フイルム instax“チェキ”販促マネージャー
伊東直哉さん
「チェキ誕生のきっかけの1つが、富士フイルムが1986年に発売した『写ルンです』です。どこでもいつでも、簡単に手軽に写真が撮れるというようなアイテムですが、当時女子高生のかばんには必ず入っているマストアイテムになっていました」
さらにもう一つが、同じく女子高生の間で流行った「プリントシール機」です。
伊東さん
「(プリントシール機で)写真を撮った後に落書きしていた。そうした発想から手軽に写真を持ち歩いて、その場でプリントができて、さらに落書きして手渡せるような商品を生み出したいということでチェキが企画されました」
デジカメや携帯のカメラの機能の影響で、いったん下火にはなりましたが、近年では結婚式や推し活などイベントでも活用され、ブームが再来しました。
2024年には、累計販売台数が1億台を突破しています。現在では、撮ってすぐフィルムが出るアナログタイプの他、撮影前にエフェクトを選べるハイブリッドタイプも登場。さらに、フィルムサイズも3つに増えています。
音声にもエフェクトが
そして今月末、今までにない斬新なチェキが発売されます。なんと、動画が撮れるのです。デザインは、8ミリカメラを思わせる縦持ちスタイル。撮り方は至って簡単で、真ん中のシャッターボタンを押したり離したりすることで、最大15秒の動画を複数カットに分けながら撮影できます。
さらに注目なのが、側面のダイヤルです。
富士フイルム instax“チェキ”商品企画
嶋泰寿さん
「『ジダイヤル』という機能で、様々な時代をイメージした10種類のエフェクトが使える新しい機能になっています」
映像の質感だけでなく、収録される音声にもエフェクトがかかります。
嶋さん
「雰囲気丸ごと、その時代にタイムスリップをしたような映像を撮影できます。動画をチェキに組み合わせたら、どうなる?が一番最初のきっかけになっています」
(2026年1月21日放送分より)
この記事の画像一覧
