
水がなくなり、底があらわになっているのは「川」です。記録的な渇水は1級河川にも影響を与えています。現地を取材しました。
渇水で1級河川に異変
今、静岡市内を流れる安倍川の川底に立っています。見渡す限り水気はありません。石が広がっています。水がない川が延々と続いています。
駿河湾に面する静岡市。市街地の中心部を流れる川に今、大きな変化が。
1級河川の安倍川です。河口付近の川幅は、およそ700メートルに及びます。
10日、上空から川を撮影すると、水はほとんど流れておらず、見渡す限り、川底の砂だけが確認できます。
台風の影響で、安倍川が増水した時の映像です。川幅いっぱいに水が満ちています。
なぜ、今、広範囲にわたり、川の水がなくなってしまったのでしょうか。私たちの生活に欠かせない水の異変を取材します。
川の水がなくなる瀬切れとは?
番組の取材班は静岡市へ。安倍川に架かる橋から見てみると、やはり水は流れていません。
河川事務所の職員とともに川へ。目の前に広がるのは、本来、水が流れているはずの川底です。
静岡河川事務所 伊知地誠副所長
「(Q.私たちが歩いているところが川?)水が通っていたところ」
川底を歩くことができる、異常な事態です。
「ちょうど茶色いところ。水があったところ。浅い時もあれば深い時もある動いている。直近だとこのくらい。ピークの時にはここくらいまで(水が)あった」
水が干上がった状態は、はるか上流まで続いていました。
「河口から約10キロ続いている。瀬切れの状態が」
「瀬切れ」と呼ばれる現象が、河口付近から、およそ10キロにわたり発生しているといいます。
川の水がなくなる瀬切れとは?
ドローンを飛ばして、川を撮影すると「瀬切れ」の実態が見えてきました。
川岸から川の中央へ進んでいくと、至る所に白い筋があるのが分かります。
去年の夏の映像です。安倍川は上流から流れてくる土砂が多いのが特徴で、通常はこのように土砂の間を水が流れています。
ところが10日は水が干上がっていて川の流れが途切れる瀬切れが起きています。
今年は雨不足が深刻で、これまでの1カ月の雨量は、わずか2.5ミリで平年の3%です。そのため、瀬切れが10キロに及ぶ異例の事態に。
伊知地副所長
「10キロというのは例年に比べて本当に長い距離。今後このまま雨が降らない状況が続くと取水制限など影響が出てくると思う」
農作物にも異変
静岡県の伊豆半島では、雨不足で、農作物に異変が。
山の湧き水を使って育てているのは、静岡県の名産、ワサビです。
こちら本来ならば田んぼの横を流れている川ということですが、現在は水が流れていません。
周辺では、去年の降水量が過去最少でした。今年に入ってからも、雨が極端に少ない状況です。
ワサビ農家 塩谷吉栄さん
「冬は水がないところは成長が止まってしまう。生育は悪いので小さくなっている。水が少ないと見た目がきれいではなかったり傷や病気が多かったり、こういうところで収穫すると何も水がなくて次植え付けができない。1年から1年半後に収穫するワサビがない」
首都圏でも、冬野菜がピンチに。
戸張農園 戸張恭隆さん
「こちらがダイコンの畑」
「今年冬の間、乾燥が続いていて成長が遅れている。まだ収穫が始まったばかり」
例年は、1月から収穫を始めるところ、今年は、ひと月ほど遅れているといいます。渇水の影響が。
「先っぽが細くなっている。水分が足りない感じがダイコンからも伝わってくる。ここまでダイコンが小さいのは経験がない」
去年1月に収穫したダイコンと比べてみると、通常は、先が丸みを帯びて長く育ちますが、今年は、先が尖っていて短いのが分かります。
「乾燥して土の中の肥料分をうまく吸収できない。ダイコン、ブロッコリー、キャベツ、全部成長がストップしている。とても困っている」
周辺では、この1カ月間、雨や雪は4ミリしか降っていません。
(2026年2月10日放送分より)
この記事の画像一覧
