
静岡県伊東市で、一時、約5000世帯に及んでいた断水は、11日夕方の時点で1890世帯まで減少しています。14日にも解消するとの見通しが示されていました。ところが、13日、開かれた緊急会見で、市は、すべて解消できるか未定だとしました。
【画像】“漏水”調査 空き家が課題…伊東市の断水 復旧みえず 影響は最大約5000世帯に

11日夜になって、配水池と呼ばれるタンクで、新たな水漏れが判明。さらに、別の配水池では、水位の低下が確認され、再び、断水のエリアが拡大しました。

伊東市 杉本憲也市長
「本来タンクにためて、その水を皆さんに配る形になるが、タンクに入ってくる水よりも漏水で出ていく水の方が多い状況。結果として、タンクに水がなくなり、断水が生じているのが主な原因」

水道管の破裂は、急激な冷え込みにより、内部の水が凍結したことが原因です。水は、凍ると体積が増えます。圧力に耐えられなくなった水道管に亀裂が生じ、そこから漏水が起こりました。

伊東市上下水道部 稲葉信洋部長
「今回の水道管凍結によって、相当数の家庭内の配管が破損して漏水が起きて、通常と比べ、1.5倍から2倍近くの水が使用されたような状態」

水道管の破裂が同時多発的に発生したため、修理が追い付かなくなり、水は出っ放しの状態に。60カ所ある配水池のうち、5カ所で、一時、底をつきました。一方、タンクに水を供給する水源では、雨不足による渇水が起きていて、復旧作業が難航しています。
周辺では、12日までの30日間の雨量が42.5ミリと、平年の半分ほどの少なさでした。

市内の薬局。別の地域から水道水を運び、かろうじて営業を続けていました。薬には、きれいな水道水が不可欠。蛇口からは、ようやく水が出るようになりましたが、濁っているため使えません。

ほりの薬局瓶山店薬剤師 堀野昌子さん
「ミネラルウォーターを使えばと思うかもしれないが、水道水を使うということが前提で(薬の)シロップを作ってあるので、水道水しかだめ」
インフルエンザが流行するいまの時期。手洗いやうがいの回数を減らし、部屋の加湿もできない状態が続いています。

ほりの薬局瓶山店薬剤師 堀野昌子さん
「(Q.いつ断水が拡大するか不安は)もしかしたらなるかもしれない。だから、しばらくの間は、車にお水を積んで、仕事に来ようと思う」
市役所には、給水に訪れる住民の姿があります。

給水に来た人
「ペットボトルみたいな入れ物に移し替えて、飲んでいます。水の大切さがわかった」

給水に来た人
「洗い物も水が使えなくて。これだけ持って行っても、洗い物をすると、すぐなくなる」

水は必要だけど、給水所まで取りに行けない人もいます。
これから起こるかもしれない断水に備えて、市の福祉課の職員が、近くの温泉地から寄付された水を1軒1軒配っています。相当な重労働です。
伊東市役所高齢者福祉課 田山匠さん
「(重さは)10キロちょっとかな。(Q.何本入っている)500ミリが24本です。(Q.まわっているのはどういうお宅)要介護か要支援の認定がついてる方のお宅になります。お水を買いに行けなかったり、給水所に取りに行けなかったりを想定される方のお宅をまわる」
一人暮らしの高齢者の家を訪ねます。

住民
「うれしいと思いますよ。お水が出なかったら困りますものね。(Q.給水には行きづらいか)重たいもんね、お水はね。いままで経験したことないので、わかりませんけれども、これだけ重たいものを女一人で持っていくのは、大変だと思います」
市が抱える別の課題も要因の一つになっています。
伊東市 杉本憲也市長
「漏水しているご家庭を見つけましたら、空き家を含めて、伊東市に情報提供をお願いしたいと思います」
総務省の調べによりますと、伊東市には、2万戸以上の空き家があるとされています。こうした家での漏水も、実際に現場をまわらなければ、突き止めることができません。
老朽化した空き家。加えて、むき出しのままとなった水道管が市内に点在しているそうです。

伊東市役所下水道課 岩崎光博さん
「伊東市は、もともと温暖な地域なので、露出して配管されている。(Q.暖かい地域だから、寒さ対策もない)していないということです。水が足りないところを、こういう空き家で漏水してると、余計足りなくなるので、それを避けるため元で止めている」

13日午後2時の段階で断水が起きていたのは、市内にある5カ所の配水池です。

このうち宇佐美大橋配水池は、水が足りなくなったため、12日になって新たに断水になりました。宇佐美地区の約2630世帯では、いまだ復旧の目途が立っていません。
記録的な少雨により、全国で相次ぐ“水不足”。気象庁が発表した今後1カ月間の降水量予想では、全国的に『平年並み』か『少ない』見通しです。
