
底があらわになり、沈んだはずの村の一部も姿を現しました。渇水が続くと、生活はどうなるのでしょうか。名産のうどんも危機を迎えています。
「寺内ダム」湖底あらわ
17日、取材班は1月の降水量が“この51年で最少”を記録した町へ。福岡県朝倉市にある「寺内ダム」では、深刻な渇水が起きています。
水資源機構 筑後川上流総合管理所
黒田浩一副所長
「この辺りは、満水になると水につかる場所」
ダムの上流に行くと水がなく、底が干上がっています。
黒田副所長
「ここまで水位が下がっているのは厳しい渇水の状況になっている」
17日、取材班はドローンを飛ばして上空から撮影。
福岡県朝倉市の寺内ダムです。立っている場所は、本来満水時は水の中です。17日午後2時ごろは干上がったかのように、水がほとんどありません。遠くを見てみますと、乾燥してひび割れが起きている箇所も数カ所目立ちます。
寺内ダムは“巨大な水がめ”として、福岡県や佐賀県などおよそ320万人が利用する水道水の水源になっています。
ダム湖の水が多い時は上流のほうまで満ちているのが、先月には上流側が干上がって湖の底が見える状態に。その後、渇水はますます深刻になっています。
満水の時の画像と比べてみます。木々が生い茂る辺りまで水が満ちていたのが、17日は水に沈んでいた山肌があらわになっています。
筑後川上流の3つのダムの貯水率は、わずか8.7%です。この時期の平均貯水率が68.9%のため、危機的な渇水に陥っているのが分かります。
黒田副所長
「特に去年10月から今年1月にかけては、過去50年で一番少ない雨量。ダムにためた水を放流して補給し続けているので、貯水がかなり低下している」
ダム渇水で「減圧給水」
ダムに沈んだ場所には、かつて人々が生活していた集落がありました。
寺内ダムの建設を記録した貴重な映像です。
時は1970年代、福岡県のほぼ中央に位置する朝倉市で、農業用水や生活用水の確保を目的とした大規模ダムの建設が行われました。
ダムの建設により、この地に暮らしていた住民は移転を余儀なくされました。
こうした協力のもと、今では周辺の3つのダムを運用することで、筑後川を通じて広い範囲に水道水を提供しています。
しかしダム渇水の影響で、現在、福岡県の14の自治体では水道水を制限する「減圧給水」を行っています。
そのひとつ糸島市では、多くの人たちに愛されるソウルフードがピンチに…。
名産「うどん」危機
うどん和助 糸島店 川元勇児店長
「夜間~朝方にかけての水の出が少なくなっているような感じがする」
渇水は、地元の名産うどんにも影響を与えていました。
ひと月に90トンもの水道水を使うという、うどん店。給水制限により、朝や夜は水道の圧力が弱められています。
「水不足。水がないと営業できない。できるだけ節水しないと」
水を減らすための工夫が…。
「(水を)出しっぱなしにするより、ためて洗えば(汚れを)流すこともできる。これで節水になる」
「いつも豪快に水を使っていたが、水不足になってからは節水を徹底するようになった」
他の自治体でも、渇水の対策がとられています。
志免町 上下水道課 山川志保係長
「普段はお湯が張られているが、今は渇水対策で湯船の水がない」
町の温浴施設では、水を節約するため、先週から浴室の利用を停止。再開のめどは立っていません。
山川係長
「渇水で休業は初めて」
「平成の大渇水」何起きた?
渇水が続くと、水道の制限はどうなるのでしょうか?
32年前に起きた「平成の大渇水」。
広報車
「8月4日から6時間の夜間断水を実施」
福岡県では、大規模な断水が長時間にわたり起きていました。
夜になると博多駅の公衆トイレは使用禁止に。利用客は引き返していきます。
駅の利用者(1994年8月)
「トイレに来たら閉まっている」
「(Q.きょうから夜間断水)知らなかった」
福岡市では給水制限が実に295日間にも及びました。「平成の大渇水」を経験したという女性たちは…。
「団地生活だった。給水車が来てタンクに水を入れた。嫌だった。風呂の水はずっとためて何かに使う感じ」
今後の見通しについて、気象庁は「東日本の太平洋側や西日本は、少雨の状況が1カ月程度続く見通し」と話しています。
雨が少ない状況が続けば、「時間断水」の可能性も。
糸島市 水道課 山手貴文さん
「福岡地区水道企業団からの制限がさらに厳しくなった場合は、時間断水を検討せざるを得ない可能性は十分ある」
(2026年2月17日放送分より)
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